ホーム小宮山建の主張町議選へ向けてのご挨拶

 

 

町議選へ向けてのご挨拶

私は八丈島に生まれ育って、学生時代、島を離れた時期もありましたが、これまで人生の大半をこの島で暮らしてきました。そしてここの暮らしがとても気に入っています。他の土地での暮らしはあまり経験ないのですが、八丈島の気候、風土はとても快適です。
海があり、山があって、これだけ豊かな自然とふれあえる環境なのに、文化的な面でも決して都会との格差を感じさせない、もちろん、まったく都会並みとはいかないまでも、様々の情報を自由に得ることができ、生活レベルでも質の高い環境がととのっている島だと思います。
でも、そうはいっても、すべて今のままでいいと思っているわけではありません。どうしても変えていかなくてはならないこともあります。

八丈島の人口は昭和27年に1万3000人以上ありましたが、その後徐々に減り続け、平成元年に1万人を割りました。そして、平成5年までに9400人台まで減り、それ以降は減少に歯止めがかかっていました。しかし、ここに来て再び減り始めて、今、八丈町の人口は9200人台にまで落ち込んでいます。
東京都の条例に「町となるための要件」を定めています。これは町村合併の時の要件ということですが、そこには「人口が1万人を超えること」、そして「人口が増加傾向にあること」が書かれています。
しかし、町としての要件である1万人の人口はとっくに割りこんでしまっています。だから、その意味でいえば八丈町はすでに実態として「町」ではなく「村」なのです。私たちは「町民」ではなく、「村民」なのです。
なんとなくさびしい気がしませんか?

でも、さびしいだけでは済みません。人口の減少は、生活や文化の面での質の低下につながっていくことを覚悟しなくてはなりません。
現に、末吉地区からはとうとう中学校がなくなってしまいました。これからも学校統合問題は避けて通れません。
NTTは民営化されたという理由もありますが、八丈島営業所が撤退してしまいました。郵政民営化になれば郵便局だって心配です。
「テレビもネー、電話もネー、車もほとんど走ってネー、オラこんな島ぁいやだー」と、若い人たちが逃げ出したくなる島になったら大変です。
特に、全人口に占める65歳以上の方の割合、いわゆる高齢化率が全国平均を上回る八丈町では、医療や福祉の面でのサービスの低下がとても心配です。

人口の減少には様々の理由があるでしょう。医療や教育が心配で転居していった家族もいます。しかしその最大の理由はやはり、きびしい経済の低迷でしょう。
今八丈では廃業に追い込まれ事業所を閉鎖するところが増えているそうです。廃業までいかなくても経営状況はのきなみ元気をなくしていて、新しく事業を興そうなどという動きはほとんど見られないと聞いています。
現在、空港拡張の工事でダンプが走り回っていますが、この工事が終わったらどうなるのでしょう。このままでは、まもなく9000人を切ってしまうだろうと私は恐れています。

「脱ダム宣言」で不信任された長野の田中知事は、県民の圧倒的支持を得て再選されました。日本全国で、補助金だよりの公共事業で地域を振興させようとするこれまでのやり方自体が行き詰まり、構造的な改革が求められているのです。
でも、誤解しないでください。私は公共事業をやめろとか、道路や箱物の工事をなくせ、と言っているのではありません。ただ、どのような事業を行うのかについて、もっと住民がしっかり考え、住民にとって本当に必要な事業を選べるような仕組みにすべきだと思っています。

税金の使い方、事業の進め方に、もっともっと住民の意向が反映できるようにするために、それを決めていく手順をその土台からから組み立てなおすべきだと考えています。
例えば、今直面しているゴミの最終処分場の建設問題があります。敷地をどこにするか、オープン型かクローズド型かが問題になっています。多分、新しい町議会では、最初にこの問題が最大の検討事項になるでしょう。
でも、私たちの生活に直結するゴミの問題だからこそ、住民の意向を十分に踏まえて決めていけるように、その決定のプロセスを変えていくことを求めたいと思っています。

そして、医療、福祉、環境、教育、防災等の住民の生活に直結するテーマ、あるいは農業、漁業、観光や商工業などの産業に関するテーマごとに、それぞれに経験、知識をもつ住民を中心とした協議機関をつくり、そこでしっかりと検討していけるようにすべきだと考えています。そのことによって、住民にとって本当に必要な事業への予算を充実させ、そこに新しい仕事、新しい雇用を作り出してこそ、バブルではない、確かな経済の活性化を実現していくことができるのだと思います。町議選もいよいよ間近に迫って参りました。

私は「八丈を変える! 日本も変わる!」 「住民が主役の町を創ろう」とのスローガンを掲げて、あたらしい町づくりを提案していきたいと思っています。
皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。

 

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