近くの島や地方都市との直行便で経済圏を広域化
今春東京島しょ農協が合併・誕生したように、これからは伊豆諸島や小笠原を結んで経済圏、行政権の広域化が進んでいきます。そのために各島を結ぶ交通機関の整備が求められるでしょう。現在、三宅島噴火のため八丈航路は御蔵島に寄港していますが、神津島以北の各島への航路接続も早期実現をめざさなくてはなりません。同時に小笠原航路に予定される高速船の八丈寄港も定期化することが必要です。さらに、名古屋、大阪、仙台等、東京以外の主要都市とを結ぶ空路の新設についても追求すべきです。
航空・海上運賃の実質値下げ
自由競争で全国的に航空運賃が値下がりしている中で、八丈路線の割高感が突出しています。観光産業に大きな打撃を与え、住民生活をも圧迫する高額運賃を早急に是正することが、八丈町にとっての死活的課題です。また貨物の海上運賃についても同様です。島内産業の対外競争力を強めるために、また住民生活の向上を促すためにも、輸送にかかる運賃負担の軽減を実現しなくてはなりません。
高速・大容量通信(ブロードバンド)の早期整備
インターネットは広く国民の生活に定着し、経済活動にも不可欠の通信手段となりました。そのための必須の基盤として、高速・大容量通信(ブロードバンド)が全国で標準化しています。しかし、この点で八丈島は大きく取り残されようとしています。産業発展の重大な阻害要因となる情報格差の拡大をこのまま放置することは許されません。既存の産業の発展にも、また新産業をおこしていくためにも最重要のインフラであるブロードバンド通信網の整備を急がなくてはなりません。
無限の可能性を秘めた海洋深層水の研究開発
八丈町でも海洋深層水の調査研究が始まりました。本年八丈近海で採取されたサンプルは、富栄養性、清浄性等の海洋深層水としての特色ある成分をもっていることが判明しました。この開発が成功すれば八丈島の産業に構造的変化をもたらすものと、期待がふくらみます。その将来展望をふくめて、開発・利用の可能性を見極める作業に、町は積極的に取り組むべきです。
2002年8月18日 (小宮山たけし記)