デポジットを切り口に循環型社会モデルの町へ
八丈町のデポジット事業は80%を越える回収率を上げています。クリーンアイランドめざす八丈町の取り組みは、資源循環型社会へのモデル事業として全国から注目を集めています。今後も、ゴミ減量、リサイクル、環境保護の先進的な施策を、住民、行政、そして事業者が一体になって推し進めて行かなくてはなりません。
下水処理施設の早期整備
下水処理施設を一刻も早く整備して、大切な自然を汚染から守らなくてはなりません。下水道は、地形に起伏の多い八丈島の全域に敷設することは困難であり、技術革新の進む合併処理浄化槽の導入を主体として整備していくことが現実的といえます。それと同時に、し尿処理施設の建設も今すぐ具体化しなくてはなりません。また、ゴミ焼却灰の最終処分場とその溶融施設の建設が差し迫った課題になっています。将来にわたって安全性が保たれる施設にするために、用地選定、処理方式の選択には、住民の合意形成が不可欠であり、そのための手続きを充分に踏んだ上で進めていくことが重要です。
コンクリートで固めた海浜、河川に自然景観を回復
八丈島の海や川がコンクリートで固められ景観をいちじるしく損なっている現状は、観光が町の重要な産業であることからみても大きな問題です。これからの公共事業は、自然景観を守ることにも十分な配慮を求めなくてはなりません。いっぽうで、テトラポットの海面下敷設、コンクリート三面張りの河川への自然回復を、防災効果を落とさない新工法で実現し、また、電線の地中化についても長期計画を立ててすすめるべきと考えます。
自然エネルギーの開発
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熱発電、風力発電に手をつけた八丈島で、さらに自然エネルギーの開発に取り組んでいくことは、クリーンアイランドをめざす八丈島にとってきわめて意義の大きいものと言えます。水力、潮力、太陽熱等、地球環境に優しい自然エネルギーの開発を、今後も積極的におしすすめ、八丈島のエネルギー需要に応えるとともに、この分野における先進地としての地位を確保していきたいと思います。
地域防災の推進
大島、三宅島と同じ富士火山帯に属する八丈島では、特に噴火や地震、津波への備えには、万全を期さなくてはなりません。防災設備を充分に整備し、組織体制を確立するとともに、各地域において自主防災組織をつくり、非常時の弱者の避難などにも力を発揮するよう育成していく必要があります。
2002年8月15日 (小宮山たけし記)