《資料》
一般質問と回答(全記録)
八丈町議会第4回定例会(2003年12月9日)
管理型最終処分場建設計画策定において八丈町の住民意思はどのように反映されたか?
小宮山
時間がたっぷりあるそうですけども出来るだけ簡単に、一番議員さんのように熱くならないでやりたいと思います。
私もまた、今日の質問の前にですね、本日内閣総理大臣が決定しようとしている、イラクへの自衛隊派遣問題について一言申し上げたいと思います。私たちの議会は、去る3月20日にアメリカとイギリスの、イラクに対する攻撃に対して反対の決議をいたしました。国連決議なしでのイラク攻撃に対する反対の決議を、圧倒的多数において賛成をいただきまして議決させていただきましたけども、また、こうした大義のない、ますます大義のないことが明らかになる中で、また先日は、貴重な外交官の命が奪われている中で、自衛隊が派遣されようとしている、そういうことに対して、私は改めてこの場で、抗議の声を上げた上で一般質問に入りたいと思います。
私は、時間がないので今日は一点だけに絞って質問させていただきます。
管理型最終処分場建設計画策定において八丈町の住民意思はどのように反映されたか、それについて伺います。
東京都島嶼町村一部事務組合が、管理型最終処分場の建設用地として中之郷の民有地を選定したことについて、今、地元住民を中心とする強い反対の声が上がっております。大沢進也さんを代表とする「大切な水資源を守り郷土の未来を考える会」、そういう名称の会が「中之郷水源地域に管理型最終処分場を建設する計画に関する陳情書」をすでに町長のもとに届けたと聞いています。この陳情書に対しては、八丈町に居住する者の2751名、そして島外居住者568名、合わせて実に3319名もの人たちの署名が寄せられました。
この陳情書は、東京都知事、一部事務組合の組合長、環境大臣、総務大臣、そして八丈町長、この5者を提出の宛先としておるわけですが、この陳情書は、一組が進めている処分場計画の全てを否定しているわけではありません。処分場の必要性は認めながらも、今回の用地選定に関して、ここは決して処分場の建設用地として適地ではありませんと異議を唱え、計画の凍結、変更を求めているものであります。
一部事務組合は地元住民の意見にはほとんど耳を傾けることがありませんでした。住民の健康と安全を守るためにこそ、処分場は建設しなければならないのに、この目的を果たそうという姿勢がそこには見られません。その一組の事業の進め方自体に対する拭いがたい不信の念を地元の多くの住民が抱いております。そして、その結果として、地元で長く暮らしてきた住民でなければ知りようもなかった、地元特有の条件に関する情報を、一組は把握することが出来なかったのではないでしょうか。
すなわち、陳情の中身では、ここに処分場をつくれば、わき水の豊富なこの地域の地下水脈を破壊し、三原山山系全体に複雑につながる水系に影響しかねないと主張しています。また、地元に長年暮らしてみて、この地域が気象条件からみてもこうした施設にはふさわしくない、そういうふうにおっしゃっています。
もちろん、地元で暮らしたことのない私ですから、そのことを肯定や否定できる判断力は持ち合わせていません。でも、こうした地元の皆さんの情報や意見は、用地選定において考慮すべき条件として、重要度がきわめて高い要項に位置づけられるべきではないのでしょうか。
一組の皆さんは、用地選定において21の候補地から、この中之郷の土地を選定していった経過を、住民説明会の場で明らかにしました。それによると、自然公園法であるとか、保安林の関係など、さまざまの法的規制をクリアできる用地としてこの土地に絞り込まれていったいきさつが述べられました。私はその説明をうかがって、この方がたは確かに有能な官僚かも知れないけれども、向いている方向は彼らの所属する部署やその上にある組織、法律などのきまりや、作り上げられている行政の仕組みだけでしかないのではないか。一番大切にされなければならないはずの住民には、ほとんど意識が寄せられてないのではないかという気がいたしました。
もし、そうでないならば、なぜこのような用地選定が行われたのでしょうか。先に述べた水脈や気象条件については私は判断できません。しかしこの土地から湧き出す水は安川という名称の川を通って、尾越、藍ヶ里、藍ヶ江に流れていきます。そして、ひとたび水があふれることあれば、影響はさらに広い範囲に広がる可能性があることは、ここの地形をみれば誰にでも判ることです。このような住民の居住地域に流れ込む水系の上流に、わざわざ用地を選定しようとするのはなぜなのでしょうか?
また、処分場に投入する埋立対象物が確定していないのに、どのように5万立方メートルという施設規模を算出したのかという疑問が出されています。そしてそのことは、焼却灰のほかの有害物質を適正に処理できるという見通しのないまま計画を進めているのではないかという疑いにもつながっています。
いずれにしろ、この建設計画に対する住民の強い反発が生まれている状況の背景には、この用地選定にあたって住民の意思を反映するための手続きが充分には行われず、その結果、その予定地にある問題点を見いだせなかったことに手続き上の失敗があると思っています。
ところで、先ほど一番議員さんも言われましたが、先般行われた総選挙は「マニフェスト選挙」として話題を呼びました。そしてそのことについて、それに先立つ9月定例議会において、私は、道徳町長が町政を進める上での基本姿勢を「マニフェスト」として明らかにすることを求めました。町民が住みやすいと感じる町づくり、これを進めるための具体的な施策をうかがったのですが、残念ながらそれに対する町長の答弁は得られず、代わって総務課長が「町民憲章」の抽象的理念を述べるにとどまりました。しかし、今、地方分権が叫ばれている中で、町づくりのはっきりした指針を持つことはますます重要な課題になっています。この処分場建設のような広域行政も様々な分野に広がっていくことでしょう。であるならば、ますます自治体としての主体性をどうやって守り抜いていくのかが問われるのではないでしょうか。
処分場に関する住民説明会では、町長は「8町村でやっている事業で、都からは八丈が同意できないなら抜けて単独で整備しろとまで言われた。他の事業は面倒も見ないといった圧力をかけられ、脅しと感じることもあった」と述べました。ほんとうにそんな発言があったのですか?
これは自治権に対する重大な不当介入であり、私はこの発言を決して見過ごすことはできません。自治体の自主的な政策決定権を踏みにじり、中央の方針にむりやり従わせようとする明らかな越権行為です。その発言の事実関係を明確にした上で、町として、はっきりと抗議の意思を示し、発言の撤回を求めるべきではないでしょうか。そして、自治権さえ軽んじるこのような行政手続きの中で、この処分場建設が進められていることで、安全にたいする住民の不安を消すことなどできません。
町長は、ことあるごとに町民の意思に反する用地選定は行わないと述べてきています。「町民が住みやすいと感じる町づくり」を基本姿勢に掲げる町長の言葉として、私は3000名を超える署名者の皆さんとともにそれを信じたいと思います。そしてまた、私自身を振り返ったとき、こうした住民の重みのある声をこれまで充分に汲み取ることができず、この議会に反映できなかったことを強く反省します。そして、今一度原点に返って、住民の意思を第一とする議会活動に立ち返ることを、すべての議員の皆さんにも呼びかけたいと思っています。
その上で、今後さまざまの分野に広がることが予想される広域行政を進めていく上で、八丈町の自主性を失うことなく最善の対処をするためにも、今回行われた一組の行政手続きとそれに対する町の対応を検証し、問題点を明確にしておかなければならないと思います。
その点から3つの点について質問させていただきます。
まず1番目は、一部事務組合が建設予定地として複数の候補地をリストアップし、それを段階的に絞り込んでいく過程において、八丈町はこれにどのように関与し、かつ本議会の意思はどのように反映されたのですか。選定の経過に沿って明らかにしてください。
2番目の質問は、町長は、東京都の幹部から「8町村でやっている事業で、都からは八丈が同意できないなら抜けて単独で整備しろとまで言われた。他の事業の面倒も見ないといった圧力をかけられ、脅しと感じることもあった」と述べています。いつ、誰に、どのような場で「脅された」のですか。そして、町長がそれを「脅し」と受け止めた理由は何ですか。
3番目。今回の用地選定に反対の声を上げている中之郷を中心とする住民の動きを、町長はどう認識されていますか。そしてまた、今後、この反対の声にどのように対応するおつもりでしょうか?
以上、3点について伺います。
議長
はい、住民課長。
住民課長
管理型最終処分場関連の質問についてお答えいたします。
一つ目のご質問に関しましては、かれこれ2年越しの事業計画の中で再三再四説明会等でも出てきている平成13年度伊豆諸島における清掃施設整備基本設計の用地選定作業にかかるものとしてお答えいたします。
用地選定は東京島嶼町村一部事務組合によりまして委託を受けましたコンサルト会社が候補地選定調査をいたしました。
町では多方面から選定されました候補地が多ければよりいっそう客観的な比較ができるということで、島内事情に詳しい八丈町執行部と八丈町議会が平成13年12月中旬より作業を進め8カ所を選定しております。
これに加えまして1月上旬にはコンサルト会社が八丈町での八丈島での各法規制の網をかけ、規制該当地域は対象から除外、規制該当地域外から地形条件等を勘案し、地図上での13カ所を設定しております。以上により合計21カ所が1次選定されたと言うことです。
1月下旬には2次選定としましてコンサルト会社が現地調査を実施し、土地利用状況、周辺状況、アクセス道路の状況などを重点に2段階に評価、21カ所から8カ所に、8カ所から4カ所に選定しております。
最終選定も、コンサルト会社が利水、自然環境、生活環境、経済性を客観的に、最終評価しまして、最適候補地選定を行っております。
2番目の質問につきましては、町長よりお答え致します。
3つ目のご質問に関しましては、用地選定しておりますけども、現況の進捗状況として回答させて頂きます。
3つ目の質問ですが、すでに11月より現地調査に着手してごさいます。来年の1月中旬までには予定通りの調査メニューを実施していきます。
現地調査ということですが、水源の調査、これはボーリング調査ですが、これを8本行うということでございまして、その他に生物調査、大気調査、地質調査を今後行っていく、と言う状況にございます。
以上簡単でございますけども回答に代えさせて頂きます。
議長
はい、町長。
町長
はい二番議員にお答えいたしします。町長はですね、都の幹部にですね、計画への同意がなければですね、単独でやれと脅かされたということを申してますけど。これはですね、あなたも長く議会とかあれをやりますとですね、今局長になってる人は係長時代からおつきあいでして、道徳さん、こうだと、あーだと、教えて頂いてですね。今回のその、災害のね、あれもですよ、いわれている。それから今の知事室長をやっている前川さん。みんなすばらしい僕にはね、指導者であり、ブレーンですよ。それがですね、平成11年から島嶼でこういうことでやってるんですから、国の法律でこうなっているから、町長、早くですね、皆さんにご理解頂いて、皆さんと一緒にですね、安全で安心したそういう処分場をつくりなさい。いうことでありまして、これをあんまり反対反対すればあんたらマイナスになるよ、人間的にもマイナスになるよ、ということになればですね、あーこれは大変なことだなーと。私も慎重審議してですね、皆さんにご理解頂いて、そして町民の安心して住める、そして安全で安心の処分場をつくることが私の使命だと、そういう感じでありますから。
あなたも長く経験しますとですね、町の議員としてね、仮にそういう外交、それから折衝するときに言われますから。あーこれはいかんな、それから反省のあれもありますので、その点はよろしくですね、私はそういう意味でご理解してですね、進めているわけですから、よろしくご理解頂きますようお願いいたします。
それから、用地選定にはですね、ここに詳しくこの前のタイムスがですね、いろいろ平成11年からの経過がありますけども。これは、ぼくが、誰が決めたということがよくありますけども、第4回目のここで説明があってですね、最終的には現場を見ようというわけで、今の議員さん、新しい議員さんではなくて、当時の浅沼道夫議員を始め、では現場を見てあれしよう。行って現場を見に行って帰ってきましてですね、まー中之郷地区には気の毒だけども、諸手をあげて賛成は出来ないけども、しょうがない。ま、副議長の名前も上がっています。それから亡くなった淨文議員の名前も上がってます。それから長戸路議員のお名前も上がってます。いま総務局にいる鈴木さんという前局長もいます。その連中が、仕方がないのでそこで立派なものをつくってみよう、つくってもらおう、ということで。確かに採決はしなかった。そこが一番最適地で、それで都へも上げ、国にも上げてですね、それが一番始めの決定だということでありまして。
その間ですね、八丈で私も私なりに、大島では2回しかあれがないですけども、5回も町へ来てですね。計7回、中之郷自治会でも説明が足りない、というわけで、私は私なりに、また一部組合に議員がどうも理解が未だできない、私予算を組むからあなたもひまかいて、あなたも、議員と皆さんと話して議論して下さい。それに参加したのがここにいる9番議員の睦男議員、それから山口議員、一生懸命に向こうで、何か1日もやったという。まあ、すばらしいことだ。納得するまでやって頂きたいと、予算処置もしますと取り組んで、この問題はしっかり取り組まなければ行けない、ということで、そういう経過もありますから 。
あなたも昨年の10月に議員になったわけですけれども、その前にそういう取り組みをしてきているわけですから、よろしくご理解いただきますようお願いいたします。
議長
はい、二番。
小宮山
先ほど町長にお願いするのを忘れたんですけが、傍聴者の方から町長の答弁は語尾が良く聞こえないと言うことですので、ぜひ語尾もきちんと、結論がわかるようにご答弁頂くようにお願い致したいと思います。
とりあえず質問を続けますが、まったく質問に対する回答が得られてないんじゃないか、こういう気が致します。
1番目の質問は、住民やあるいは議会の意思をどのようにこの用地選定に反映させていく経過があったかという点から、その経過をお伺いしたわけですけれども、経過説明の中でその点はちっとも明確になっておりません。それで1番目の質問から行きますとですね。私は昨年の10月からこの議席を得まして、それからのことはだいたいのことは判りますけど、それ以前のことは良くわからない点があるので、その辺も含めて質問しているつもりですが、報道されているタイムスの記事等を見返してみますとですね、1997年、平成、えーこれは何年?
(「そのままでいいじゃ」との声あり)
1999年7月に、当時の厚生省から「遮水シートのない処分場への焼却灰を埋め立てはいかん」という通達があった。それを受けてその年の9月に対策委員会が設立された。その翌年に清掃施設整備計画がそこで策定された。そしてそれを受けて2001年、おととしの2月に最終処分場の施設数や設置場所等についての案が出されたとなっております。
そしてまた、その3月にですね。本議会において佐々木べジ氏が関わっている1億円余の土地保有税未納分を不納欠損処理した、という、その直後にそういう事態が起こっています。
そして今の回答の中でもあったと思うんですが、その年の11月、全員協議会で、執行部、町議会でプロジェクトチームを作って選定を行ってはどうかという声が出まして、町ではその方針で検討するということになったそうであります。
議会は多分それにそって、わざわざその問題の土地を避けて、8カ所を提案したと聞いております。ところがその翌年2002年、昨年の2月、道徳町長は、多くの議員が用地選定に関わることになると、地域間の利害が絡む、という問題が起こるので、問題であるということを町長がおっしゃったそうです。その結果、その指摘を受けて、町は事務レベルで島内で可能性のある21カ所のエリアをピックアップしたというふうに聞いております。その結果を委託事業者に提出した。
そして、たちまちその翌月の3月には、それを受けた委託業者、これはアジア航測というんでしょうか、21カ所の候補地から4カ所に絞りこんだ。さらに、すでにその時には本命の1カ所について土地購入の可能性を調査して、めどがたち次第住民説明会を実施すると報道されています。何という手回しの良さでしょうか。
その3月には浅沼道夫議員から、土地を所有している企業は1億円を超える土地保有税を滞納し、昨年3月に支払い能力がないとして町が不納欠損したばかり。その会社から用地を買収して町民が納得するかという問題がありますよ、という指摘があったそうであります。
町長は、多くの議員が関わると地域間の利害が絡んだり、利権が絡むから止めよう、事務レベルでやりましょう、というふうにおっしゃって、その結果として、議会としてはそういう利権の絡まない土地をわざわざ8カ所提案したにもかかわらず、13カ所追加して、その21カ所の中にその問題の土地を絡ませて提出した。
その事務レベルで関わって提案したそうですけど、その事務レベルとはどの方々なのか、是非明らかにこの場に示して頂きたいと思います。
(町長から、「その証拠はどこにあるの」との声)
(小宮山、「それは報道にあります」と返答)
(町長から、「どこに」との声)
議長
ちょっと待ってよ。
はい、質問を続けて下さい。
小宮山
ですから、是非その辺も明らかにして頂きたいと思います。
その結果として、中之郷で2002年の4月には、その用地を含めて、候補地として、予定地ではこの段階ではなかったのですが、候補地として住民に説明したところ、土地の所有権は、その4月の住民説明会においてですね、一組は、土地の所有権は複数の銀行から差し押さえを受けているけれども、買収の自信はある、というふうに述べているそうです。ですからこの時にはすでに、地権者との間で何らかの交渉、どういうルートか判りませんけれども、やっておられたということが判ります。
また、その時には、中之郷は長年ごみの問題で苦労してきた。配慮してほしい、というふうないろんな反対の住民の声に対して、浅沼町長は、どうしてもこの場所がだめなら他の場所を検討させる、というふうに答弁されております。
この中之郷の自治会で一組は、この土地についてはすでに交渉が始まっていまして、買収は出来るという自信は持ってますよ、とお答えしているそうですから。あと、今年の、先日の皆さんに署名をいただいた過程における佐々木ベジさんに対する交渉において、町長以外にも参加された方がいるそうですけども、どういうルートでその人との交渉が進んできているのか、その辺も含めて、八丈町の意思が、どのようにその用地選定に関わったのか、事務レベルというものは少なくともどういうレベルだったのか、どういう方々が参加してその用地選定を行ったのかを明らかにしていただきたいと思います。
それから、2番目の質問に対して、「脅し」の問題ですが、北朝鮮に対する対話と圧力ではありませんけれども、八丈町に対して厳しい、そいいう圧力がかかってきている。そういう中で、八丈町長はこれに対して地方自治権の侵害であるとお感じなのかどうかということについて伺ったわけですけども、まったく感じてないようですね、先ほどの答弁では。大変なことだと思います。
少なくとも、八丈町が同意できないなら、抜けて単独で整備しなければならない、そういうことはあり得るかも知れない。例えそうだとしても、他の事業の面倒も見ない、といって圧力をかけられたとおっしゃっているわけですから。
(町長から、「だれがそんなことをいったのか」との声)
これは報道にあるわけでありますから、事実と違うというのであればそのようにおっしゃって下さって結構です。細かいことまでは書いてありませんけれど、脅しと受けとった方がおっしゃっていることで、報道されている事実ですから、それが事実でないならばそのようにおっしゃってくだされば結構です。
それから、3番目の質問に対して住民課長はまったく回答されておりません。回答したおつもりで、こういうふうにやっていくとおっしゃっているということは、逆に言えば、この3000名を超える署名についてはまったく何にも感じてないということをおっしゃっているわけですか。それならそういう風にはっきりおっしゃって頂きたいと思います。
この用地選定に反対の声を上げている中之郷を中心とする住民の動きをどういう風に認識していますかという風に質問しているわけです。そしてその反対の声に対して予定通り計画を進める、例えそうであっても、そうであるならば、どのように答えていくのか、対応していくのか、そのことを伺っているつもりであります。是非その点について明確にお答え頂きたい。
議長
はい、助役。
助役
ただいまのご質問ですが、大分誤解なさっておられることがいっぱいありますね。そういうことでお答えいたしたいと思いますが、まず、土地の選定を13年の12月14日に、私を含めて担当課長、それから議会も委員長2名、そういうことで8カ所以上、何カ所も歩きました。10カ所以上もおそらく歩いたと思います。我々の知識の中にはアジア航測が示した専門的な知識は何にもありません。そういう立場で、ただ後背地がなるべく少ないということは判りますよね。水があんまり大きな谷でない方がいいそうだよ。その程度の知識で、それからあんまり人目につかない方がいいいいだろう、とか、そのような知識で歩いて、歩いた結果、いろいろあったんですけども、ここはだめだろうだめだろうということで8カ所になりました。ですからその時に、おっしゃられた今の候補地がですね、そういう場所だから避けたという認識は全然ありませんでした。それは間違いない。それから利害関係、土地に関して、こういう土地を選ぶときには、いわゆる利害関係が絡むからというのは、前からやっていた議員の方は判っていると思う。利害関係があるから、何人かで歩いて決めた方がいいよと、いうようなことから委員長がですね、二人で歩いた、ということですよ。後から出てきた話ではないです。そういう話があったわけであります。その結果が、歩いて8カ所、というようなことでございます。
それから、土地購入の可能性を一組さんが手回し良く、よく調べたもんだなー、という話がありました。これは、当然土地を見たときに、当時は銀行がおさえていたわけですよ、銀行が。全部銀行がおさえて抵当権を持っていたわけですよ。だから銀行に対して果たしてここを決めた時に、この銀行はいっぱい土地をおさえているわけですから、一部解除をして、いくらかの金をこれだけ、町が、一組が買うから、これだけの金でそれじゃ評価がこれだけだから、部分的解除が出来て、銀行が、おさえている銀行が譲ってくれるだろうか、いうぐらいの調査をするのは当たり前のことですよ、これは。
決めました土地が全然これがおさえられて出来ませんからということでね、一組が土地の選定をして皆さんに住民説明でも何でもやったら大変なことですから、これも誤解。当然これはやるべきこと、事務として。
そういう流れの中で、質問からはずれるかも知れませんけれども、今回いろいろと署名活動なんかもなされましたけれども、あの文章を読みますと、まったくもって、2番議員の勉強不足だと思います。よく知らないと思います。あそこの土地にいかにも初めて今まで自然を守ってきたところにクワを入れるなというような文章でございます。
あそこはどういう土地かといいますと、いわゆる八丈島が東洋のハワイとして、そういうキャッチフレーズで、30年代に八丈を宣伝をして、八丈島を東洋のハワイとして、観光地として売り出そうという熱く燃えていたときに、都会から来た、その思いを持っている方がそこを開発しようということで、土地を中之郷の人は売ったわけですね。売ってその人は正に、その土地を買って、開発するために新しい道路をつけ、また観葉植物を植え、牧場なんかもつくり、そうして道路を造るためにはブルトーザーもはいっているわけですよ、じっさい。そうような土地なんですよ。要するにね。そういうところを知っているかどうだか判りませんけれども。そういう思いで、八丈の議会へもおそらくあの方は、東洋のハワイとして八丈島を売り出そうというとき、観光地として日本で売り出そうということで熱く燃えていた時代ですよ、観光地として。そういう歴史の中のそういう土地の背景があります。
それから正に、それぞれ我々が、当時の時代背景、ごみの処理の問題というものを振り返って、何であそこに、中之郷からも多くの議員が、一番、地域の中でも四人以上、五人ぐらいも出ていたかも知れない。そういった時代に、認められて、あの新堤の上の現在の処分場が決定されて、処分場として今も使っているわけですよ。
それを仮に今否定するとすれば、正に、先代の立派な議員たちが、地元の議員たちがやったことを全て否定していると、そのことを明確にしなければならない。そういう風にして否定しているのだから、ね、時代を。その時代背景でごみ処理というのは大変でしたよ役場も。皆さん考えてみて下さい。それぞれの家庭で牛メを養い、ゴミ捨て場ははじっこにあり、それをきれいにするために清掃検査を年に必ず町がやって、蝿をおこさないように薬をまいて、それで良かった時代、そういう時代背景がある。
それを無くそうということで、島民全部その時の議会議員を上げて、あそこを選んでそこでいいよということになって、今の処分場があるところです。
ですから、そういうものがあっての場所の選定と私は理解しています。先ほども言いましたように、2番議員のなんか誤解するようなことがあったのでね、私とゆっくり話せば、一つひとつ全部話してあげますから、このことを是非とも今度時間があったら来て下さい。
議長
はい、町長。
町長
あなたはですね、私にはあなたはすぐに脅しと言うようですが、ぼくにはすばらしいブレーンだと言って先ほども答弁したんですが、その連中が教えてくれるわけですよ。町長、こういうことはこうだよと言って。それでですね、はっきりですね、実際、空港だって大変ですよ。あれ港湾局から教えてくれなければね、あの予算とれませんよ。そういう仲間が会えばですね、どうって言ってね。実際ぼくと一緒に行くと判るでしょう。昼食も一緒にしてね、町長、どういうことが困ってるんだ、いや、こういうことだ、みんな教えてくれますよ、これはこうだよと。そういう人を相手にしてぼくはね、行政のあれだといってね、あれ考えているんじゃないですよ。すばらしいぼくの人です。
ただ、そういう方から行政というのは、ぼくに指導がありますよ。年度年度で、国の予算も都の予算も全てあなたもそうでしょう。それを消化していくから、八町村でやるものはですね、守って頂いてですね、すばらしい地域づくりをやって下さいよ。これはぼくはね、耳にいたいほど。そして皆さんに説得してね、進めようというのが私の考え方ですから、あなたとぼくとどうも発想が、考え方が違うんですね。そんなえらい人、ぼくの一番の大事な人をね、行政裁判とか批判だとかなんとかいうことは全然思ってもないですから、その点はよろしくですね、ご理解頂いて、ひとつよろしくお願いいたします。
議長
脅されたというのは、訂正するのかどうか。住民説明会ではそういう答弁をしているんですよ。それを否定するのかどうか、否定すればいいじゃないですか。
町長
あなたも、議長になったときぼくと行ったときですね、はっきり言ってある局へ行きました。そしたら、議長さん、あなたも議長になったんですから六月まで決定して来なさいよ、しないと先へ進みませんよと、あなたも言われたでしょう。
議長
言われてます。
町長
すばらしい局長ですよ、ぼくに指導して頂きまして。今回にしてもですね。
(「言葉のあやだったんだね」との声)
うん、こういうわけで、こうやって持ってきなさいと。それで予算が付くわけですから、その点よろしくですね、お願いします。
議長
はい、二番。
小宮山
今の「脅し」の問題はですね、町長が撤回したと受け止めるしかないですね、脅しではなかったというふうに。脅されたと、あの場でおっしゃったわけですから、中之郷の住民説明会でも、この場でも、多分議会の中でも、全員協議会かどこかで、そのような発言を聞いたことがあるので、大変なことだと私は思っていたわけですけどもね、住民の皆さんも多分そうだったと思いますよ。
(町長、「あんたね、町長になればそういうこともあるんだからね」と発言)
いや、そういう強い指導を受けたとおっしゃればまた別かも知れませんけれども。それが脅されたとなればまた違うでしょう。
(町長、「そういうふうに理解すればいいじゃ。いちいちいちいち重箱の隅を‥」)
いちいちいちいち細かいことを聞いているというふうに?そう言うことはないですよ。
その上で、私が聞いている肝心の住民に対して、これだけの反対が起こっている中でどのように説明するのか、どのように対応するのかということが一言も聞かれないのはどういうことなんでしょうか。
少なくとも町長は、住民が反対するんであれば、その声は充分聞いて、どうしてもその土地がだめなら、変更を求めると何度もおっしゃっているわけです。一部、この議会でも、中之郷の住民は全然反対していないという声がどこかからありましたけど、まったくそうではなかったという事実がこの目の前に明らかになったわけですから、私はですね、これまでの経過の中で、住民に対して中之郷でやりたいということであれば、きちんとその旨を示して、住民の意見を聞くようにしていただきたい、ということについて再三申し上げてきたわけですけれども、その結果として、それを最終的な決定であるものとして進めていくことにやり方については、大いに疑問があるわけですが、是非ともこういう新たな事態の中で、それをどう受け止めているのか、今、助役さんから私の質問じゃない範囲までお答え頂きましたけれどもね。
少なくともですね、その水脈がどう影響しているかについては確かに私は判りません。だけれども中之郷の住民の方々は、そういう、例えば東洋のハワイとかどうとかという問題の中で、そういうバブルの時にも、そういう結果としてですね、その水脈が大きく変化したと、今まで新堤ですか、そこに豊富にわき出ていた水がね、そういう水脈が変化してきていると、そういう流れを見てですね、今回の陳情に及んでいるのではないかと私は受け止めております。
そしてまたこの処分場の中身についても、安定型処分場のことについてもおっしゃっていますけれども、これは先輩方が苦労してそこにつくったんだとおっしゃっていますけれども、昔と今とは違うんですよ。ごみの有害性の認識についてまったく違う状況の中で、今の安定型処分場もつくられたと思います。私はあそこに管理型処分場をつくる問題だけでなく、今の安定型処分場も大きな問題があると思っています。出来るだけそれも早く解決しなければならない問題だと思っています。
実際に安定型処分場に入れなければならないもの、管理型最終処分場に入れなければならないもの、そういうことをきちんと峻別して、安定型に入れられる五品目って判りますか。それをきちんと選別する手続きも必要なわけです。
今までは、中間処理の問題も言いました。リサイクルの問題も言いました。それだけでなくて安定型処分場に入れられるものは何なのかをきちんと見極めてですね、できるだけランニングコストがかからないような、管理型最終処分場にすべきだと私は思っています。そのことはあとでまた、今回の一般質問の中には書かれていませんから、関連して質問したいと思っていますけれども、その意味で、こうした大きな反対の声が起こっていることに対して、どう思っているのか、それに対してどう応えていくのか、その一点だけお聞かせいただきたいと思います。町長、お願いします。
議長
町長。
町長
二番議員にお答えします。
今ですね、大沢進也さん、金田弘則さん、それから田持組合の組合長が来ましてですね、2751名の署名を持ってですね、それから島外者が五百何名ですか。町長、大変ですけども、調べてみまして、そういうことで、あそこはつくらないでくれ、出来れば変更していただきたい、ということでぼくのところへ、署名を持って来ました。さっそく帰りまして、ぼくは帰りましたから一部組合に電話を入れましてですね。
四日の日も議長と東京でちょうど町村会があり、それから先方に伺いましてですね、その時に助役から情報が入って、反対の署名が始まったということを聞きましてですね、それで一部組合の小関局長を始め、それから後藤さん、そういう反対が出たときどうなんだ、といって聞きましたらば、うちは今回答できないよ、三月までですね、環境調査をしなければ。どこに水があって、どこが悪いということでありますから。今、変更ということは返事は出来ません、ということで、早速昨日も電話が入ったわけですよ。実際、署名がですね、2571名の、島外者568名が来たと、出来ないかといった答弁もですね。ただ、町長、大変でしょうけど議員さんとも相談しながら、ひとつ取り組んでいただきたい、ということで、回答が、今すぐは返事が出来ない、ということを回答をもらっていますけども。
私としてはですね、やはり、灰を捨てられるようなですね、最終処分場をつくれということで、そうでしょう。平成17年は受け取らないということですから。今2トン半出ていますよ、この焼却炉で。灰のその中には、先ほどいった化学物質、いろいろのあれがあると思いますから、それを処分場をつくってそこへ入れなくてはですから。そういう訳で、ぼくは昨日も言いましたけども、わざとですね、中之郷へわたしが一人で決めてやる訳じゃないから、その点はご理解いただきたい。
やはり、町民がある限りごみは出るわけですから、そのごみを安全で安心して生活できる、そういう処分場をつくる訳ですからご理解いただきたい。
仮に調査が悪かったら、先頭に立って反対しますと、それも約束しました。そういうわけでございますから、また議員の皆さんと相談しながらこの処分場に取り組んでいきますので、よろしくご理解いただきますようお願いいたします。
2003年12月28日 (小宮山たけし記)