《資料》
一般質問と回答(全記録)
八丈町議会第4回定例会(2004年9月7日)
質問要旨
(1)人口が8000人台に転落した八丈町の課題と、再生への方策を示せ。
長く低迷していた日本経済も少しずつ回復傾向にあると言われているが、八丈町はまだまだ厳しい状況にある。そうした中で、学校統合、新庁舎建設、下水処理など、町には莫大な予算を必要とする課題が山積しており、限られた財源を最大限活かした町づくりが問われている。
1.小学校統廃合特別委員会の意見書を受けての町長の方針は。
2.下水処理施設建設の計画策定はどのようにすすめるのか。
3.ロベ活性炭の経済効果をどの程度に見込んでいるか。
(2)少子高齢化が進むなかで、よりいっそうの高齢者福祉対策を。
この数ヶ月の間に、一人暮らしのお年寄りが人知れず亡くなり、数日たってから発見されるという事態が連続した。この夏の猛暑に体力を使い果たし、必要な食事もとれずに最期を迎えたと思われる。ここには町長の掲げる「住んで良かったと思える町」とはほど遠い現状があるが、これをどう認識し、どう対策をとるのか。
1.一人暮らしの高齢者も安心して生活できる町づくりを。
2.地域密着型のグループホーム、デイホームの建設促進を。
質問
全記録
小宮山
今日は大きく分けて2つの項目をお尋ねします。
その第1番目は、人口が8,000人台に転落した八丈町の課題とその再生への方策を示せということであります。そして、2番目は、高齢化が進む中で、より一層の高齢者福祉対策をという内容でございます。
まず、第1の項目なんですが、人口が8,000人台に転落した八丈町の課題と再生への方策を示せということであります。長く低迷していた日本経済も少しずつ回復傾向にあると言われていますが、国や都の財政状況に改善の兆しはありません。その結果、八丈町の主要財源である地方交付税は、昨年度比で2億6,000万円も削減され、今後もまだ厳しい状況が続くものと思われています。
そうした中で、町には学校統合であるとか、新庁舎建設であるとか、下水処理等々、莫大な予算を必要とする課題が山積しています。したがって、限られた財源を最大限生かした町づくりが問われていると言わなければなりません。
そこで、こうした厳しい財政状況の中でも、特に緊急を要する学校統合問題と下水処理施設に関する問題に関して、今町長がどのような方針で対処しようとしているのかをまず伺います。その上で、8月の臨時議会で朗報として報告された、ロベの活性炭に関する開発計画について、町はどのような可能性を期待しているのかという点について確認させていただきたいと思います。
まず、第1の項目の質問の中の1番目なんですが、小学校統廃合特別委員会、その意見書それを受けて、町長の方針はという質問です。特別委員会報告では、推進協議会の要望を受け入れる形で、町長が示していた三原中前に建設する案を、立地、財政の両面から困難であるとの結論を出しました。町長は、この特別委員会の結論を尊重すると何回も表明されていますから、この報告を受けまして、三原中前案については消滅したと理解していいのかどうか。その点を最初にお聞きします。
そして、そうであるならば、新たな建設地をどこに求めるのかが問題となります。町長はこの点も特別委員会で結論を出してもらいたかったようですが、特別委員会としては、それは町の責任において決すべきとの判断をしたものであり、私もそのことに異論がありません。したがって、この報告を受けて、建設地に関して、町長の最終的決断を示していただきたいと思います。
質問を整理しますと、町長は、三原中前への建設案を否定する特別委員会の意見書をどう受け止めましたか。また、これを前提にして新たな建設地をどこに求めるつもりですかということであります。
第1の項目の2番目の質問にまいります。下水処理施設建設の計画策定はどのように進めるのかという内容であります。
この件については、私も含めて多くの議員が本議会で何度も取り上げてまいりました。下水処理の先進地への議員視察も数度にわたり行われ、去る5月にも議長、副議長、睦男議員、小澤議員らが東北地方の下水処理の状況を見てきています。本年3月議会では、6番の奥山幸子議員が一般質問で、現在の町の住宅排水処理状況を尋ねました。また、生活排水処理の実態調査を求めました。これに対して当時の三島総務主幹は、浄化槽等の割合、整備手法、処理施設の規模や方式、予測処理量を盛り込んだ汚水処理対策について取り組んでいくというふうに述べましたが、これではいつまで何をやるかがはっきりしましせん。
そこで、私もこのとき、この議会で予算質疑の場で、下水処理計画に関する工程表の策定を求めたのですが、やはりそのときも明確な回答は得られませんでした。確かに、莫大な費用を要するこの事業に、財政の逼迫している町として、おいそれと乗り出せない事情は理解できます。しかし、こうした違法な状態はいつまでも放置できませんし、決して許されるものではないことは町も承知しているはずです。
先進地を視察した議員は、さまざまな予算の出どころについても見てきているのではないでしょうか。ですから、町はこの件に高い関心を持って調査研究をしてきている議会サイドと十分に相談しながら、一刻も早く具体的な行動計画を立てるべきではないでしょうか。
私は、以上の観点から、改めて次のようにお尋ねします。生活排水やし尿の適正処理に、これ以上の対策のおくれは許されません。最終処分場建設や合併処理浄化槽の普及に向けて、町長はどのような計画を持っていますか。
次に、第1の項目の3番目です。ロベ活性炭の経済効果をどの程度に見込んでいるかという質問です。8月の臨時議会において、活性炭製造の研究開発事業に、経済産業省からの1億5,000万円の補助が認められたという報告がありましたけれども、廃棄物を有効活用しながら、島の経済発展を切り開くものとして、まことに喜ばしい画期的なニュースです。この開発をぜひとも成功させて、八丈町の厳しい財政基盤が少しでも改善できることをともに期待したいところであります。
ところで、国から1億5,000万円の補助を受けて進めるこの研究開発事業に対して、八丈町としてはどれだけの開発費用をつぎ込む予定なんでしょうか。国からの補助金だけに頼るわけにはいかないと思うのですが、町に財政的余裕はないはずです。もちろんこの開発が成功して事業が軌道に乗り、確実に投資に見合う利益の回収が見込めるならば、必要な予算措置をためらうべきではないでしょうか。したがって重要なことは、この事業によってどれだけの経済効果がもたらされる見込みかということだと思います。
そこで、この計画を立案した町として、収支計画をどのきように立て、その結果として、八丈町の経済にどのような効果を期待しているのか。それを明らかにしてほしいと思い、次のようにお尋ねいたします。
活性炭製造の研究開発に対して国の補助が認められたとのことですが、八丈町としては、これにどれだけの開発費用をつぎ込む予定ですか。また、その結果、この開発が成功して事業が軌道に乗れば、どれだけの経済効果がもたらされる見込みでしょうか。
続いて、大きく分けた2つ目の項目をお尋ねします。
それは、高齢化が進む中で、より一層の高齢者福祉対策をということであります。八丈町の高齢化率は既に27%を超えました。そして、全国水準も大きく上回っていますが、特別養護老人ホームが100床に増床された後も入所待機者は解消できず、今なお60名が待機されていると聞いています。
そうした中で、この数カ月の間にひとり暮らしのお年寄りが人知れず亡くなり、数日たってから発見されるという事態が連続しました。この夏の猛暑に体力を使い果たし、必要な食事もとれずに最期を迎えたものと思われます。本当に痛ましくお気の毒でなりません。ここには町長の掲げる「住んでいてよかったと思える町」とは、ほど遠い悲惨な現状があると思うのですが、町長はこれをどう認識し、そして、どう対策をとるのでしょうか。
高齢者を大切にできない町に住む住民には、決して幸福な未来などあり得ません。間もなく敬老の日がやってまいります。町長は、高齢者に敬老金を配るだけでなくて、八丈町の高齢者が安心して暮らしていくために、今どんな施策が必要なのかを真剣に考えていただきたいと思います。
その質問の1番目として、ひとり暮らしの高齢者も安心して生活できる町づくりをということであります。八丈町には約2,500人の高齢者が住んでいますが、そのうちの何人が高齢者だけで暮らしているのでしょうか。さらに、そのうちの何人が1人だけの生活をおくっているのでしょうか。八丈町には、毎日ロベを切ったり、機を織ったりして、元気に暮らす高齢者が大勢います。しかし、高齢者はきのうまで元気でいても、潜在していた疾患で突然危機に陥ったり、ちょっとした段差で転倒して、致命的なけがを負うことも多いのです。足腰が不自由になったり、目や耳がきかなくなったりして、どうしてもだれかの手助けが必要が方も多いはずです。
八丈町では、介護保険制度のもとで、ホームヘルプサービスやデイ・サービスなどの生活支援策は、それを求めている方々に行き届いているのでしょうか。食事や排泄、入浴などの日常生活について、高齢者への支援体制の実態はどうなっていますか。
3月議会での私の質問に対して、当時の關村健康課長は、家族介護教室等を実施して介護予防の支援を行う。介護用品の支給、介護慰労金を支給すると答えています。先ほども現在の健康課長がそう答えていますけれども、ここで私は、実際の在宅介護の現状についてお聞きします。
さらに、高齢者のケアの中でもっと重要なのは医療面のケアだと思います。ひとり暮らしで、ある日突然電話もかけられないような緊急事態になった高齢者でも、即座に対応できる医療体制が八丈町には確保されているのか心配です。そこで、町の高齢者福祉に関する医療と介護の問題について伺います。
八丈町にどれだけの高齢者世帯、ひとり暮らしの世帯があり、その方々への生活支援策はどのように講じられていますか。医療面でのケアはどうなっているのですかという質問です。
最後ですけれども、第2の項目の2番として、地域密着型のグループホーム、デイホームの建設促進をということでございます。この件はこれで3回目となりますけれども、改めて町の見解をお聞きします。
私は、ことし3月議会の一般質問で、高齢者福祉や障害者福祉が施設収容型から地域支援型へ移行する流れの中で、八丈町は高齢者のためのグループホーム建設や在宅介護の支援を進める考えはないかと尋ねました。これに対して、当時の關村課長は、グループホーム建設は個人負担が高額で、入所予定者の見込み数も未調査であり、実態調査をして、それにあわせて、中・長期的な課題として、介護保険運営協議会などで検討するというふうに答えています。
その後、実際に健康課では、高齢者へのアンケート調査を行ったようです。そこで、その結果はどうだったのかを明らかにしていただきたいと思います。また、その結果を受けて、町は地域密着型のグループホームやデイホームの建設について、どのような判断をしたのでしょう。そのことを伺いたいと思います。
そしてまた、特養の待機者が減らないのは、先ほど芳清議員も述べたように、在宅サービスのおくれに最大の原因があると思います。そうした中で、八丈町ではグループホームなどの建設へ向けて幾つかの動きが出てきています。高齢者福祉の充実のために、町はこうした動きを支援し、促進する必要があると思うのですが、町長はどのような見解をお持ちなのでしょうか。こうした観点から、次のように質問いたします。
八丈町が行ったグループホームに関する町民アンケートの結果を町はどう受け止め、今後どのような施策につなげていくのですか。
以上で質問を終わります。
長戸路義郎議長
それでは、教育課長から。
宮内一男教育課長
2番議員のご質問にお答えします。
(1)の1番についてです。町長は、5月26日の樫立小学校・中之郷小学校統廃合特別委員会で、委員会の意思に沿うとしておりますので、そのようにご理解願います。
また、建設地につきましては、町議会、樫立小学校・中之郷小学校統廃合推進協議会ともに説明し、理解、合意の得られるよう努力してまいります。
以上であります。
長戸路議長
企画財政課長。
山下奉也企画財政課長
2番議員の下水処理施設の計画策定はどのように進めるかの質問にお答えいたします。
町では、平成10年度に八丈町下水道基本計画を策定し、汚水の適正処理を行う計画でありましたけれども、これの実現には莫大な費用を要し、財政運営の圧迫が懸念され、事業に着手できない状況にありました。
このような中で、環境省の生活排水処理施設整備計画策定マニュアルが示されました。生活排水処理の各種のシステムの特性、効果、経済性等を十分検討し、各地域に最も適したシステムを選択し、過大な投資を避け、効率的な整備を図ることが重要であるとし、さらに生活排水処理は、電気、水道などと同様に、利用者の料金負担によって実施する事業であって、効率的運営は直接的に住民福祉に寄与するものであり、可能な限り経済性を追求するべきであるとされています。
このため、生活排水処理施設整備に係る経済比較として、平成10年度策定の下水道基本計画による施設整備、これは集合処理スタイルでございました。これと、整備投資効果発現の早い合併処理浄化槽、個別処理の建設費、維持管理費等について比較を行い、将来的にも経済的、効率的な施設を整備するため、現在検討しておるところでございます。
この検討している内容につきましては、第二回定例会で9番議員からもありましたが、29日、議会最終日に、中間報告の形で皆様と話し合いと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上、終わります。
長戸路議長
住民課長。
奥山弘喜住民課長
フェニックス・ロベレニーの活性炭化事業についてお答えいたします。
先日の臨時議会でも報告申し上げましたが、今回の地域申請コンソーシアム研究事業におきまして、八丈町は共同研究体制の中のアドバイザーという立場で加入することになっています。基本的には、経済産業省とのやりとりは、窓口的役割を持つ管理法人が行うことになります。研究開発委託費の経理処理も管理法人の方で実施いたします。ご質問のような、町が開発費を負担する仕組みにはなっていませんので、アドバイザーとして側面から支援することとなります。
また、今後の経済効果について、経済産業省への提案書では次のように記載されております。実験プラントから本格的生産プラントを立ち上げて、活性炭の製造量を年間315トンとした場合、単価設定が1キロ当たり410円で、年間売り上げ1億2,915万円と試算しております。これはあくまでも研究事業の申請時の試算であり、単価設定や経費については、今回の研究の商品開発の成果により変動するものと思われ、本事業で実際の経済効果についても研究していくこととなります。
また、事業化された場合には、7名体制での生産を想定しているために、雇用の創出も図られることを期待しております。
以上、簡単ですがご質問の回答とさせていただきます。
長戸路議長
続いて、健康課長。
金川憲章健康課長
2番目の少子・高齢化が進む中で、より一層の高齢者福祉対策をというところのまず1点目でございます。
ひとり暮らしの高齢者も安心して生活できる町づくりをということでございます。八丈町には、65歳以上の高齢者が4月1日現在で2,495人、ひとり暮らし世帯が564人、これは22.6%でございます。町は緊急通報システム事業としまして、ひとり暮らし世帯に対して、現在支援をしております。
介護保険制度以前は、在宅サービス連絡調整チーム会議等で、介護保険制度以降は地域ケア会議等で、関係者をもってケースごとの話し合いを持ってきたところでございます。現在、社会福祉協議会が発起人となりまして、ひとり暮らし対策会議を町、市庁、社協、在宅介護支援センター、民生委員協議会で立ち上げております。そういうことで、今後このようなことが起こらないように相談をしているというところでございます。ちなみに、きょうも午前中に第2回の対策会議を社協の方で開いておるところでございます。
2点目の地域密着型のグループホーム、デイホームの建設促進をについてでございます。グループホームに関して高齢者実態調査と同時に、民生委員の方にお願いしてアンケートを実施いたしました。対象人員2,360人のうち回答が1,591人で、回答率が67.4%になってございます。その結果、グループホームを利用したい人が201人、12.6%でございます。利用したくない人が1,309人で、82.3%の結果になってございます。施設整備につきましては、今後支援をしてまいりたいと思います。
グループホームなどの新規施設整備につきましては、八丈町介護保険事業計画の中で、長期的課題として、民間活力による整備を図るようになってございます。今現在、グループホームを建設したいという方がおりますので、都に申請する段階で町も協力しているところでございます。町が施設を必要とする意見書をそれに添えなければならないということになってございます。そのためには、またさまざまな項目をクリアしていかなければなりません。
いろいろございますけれども、地域住民、施設の周囲でございますが、それらの住民の賛同を得なければいけないというようなこともなかなか大事でございます。そういうのも含めまして、今後都の指導をいただきながら進めてまいりたいと思っております。
以上、簡単ではございますが答弁といたします。
長戸路議長
2番議員、小宮山 健君。
小宮山
再質問いたしますが、先ほどの教育課長の答弁では、全然質問に対して答えていないのではないかと思うのですが、三原中前案が消滅したということについて、そのとおりやりますということは言われたのかなと思いますけれども、そこまでは当然予測していることで、今大事なのは、それではどこに建てるという決断を町長がなされるんですかということを聞いているわけでが、全くそれに対しての答えはなかったのじゃないでしょうか。
後ほど、睦男議員からもこれに関する質問があるので、そちらでもお話しになるかもしれませんけれども、本来であれば、この質問は私が質問するまでもなく、本議会で委員会をわざわざつくって、これは町長の意向もあったわけですけれども、特別委員会が結論を出しているわけですから、本議会の冒頭で、町長の意見について、それに対する方針についての表明があるべきだと思うんですよ。私たちがこういう質問を通告しているので、それに対して答えるつもりでなかったのかなと思っていたんですけれども、残念ながらそれもないというのはどういうことなのでしょうか。ぜひとも、町長が今どう考えているのか、どこにつくろうと考えているのか示していただかなければ、先に進まないのじゃないですか。この件は急いでいるのではないですか。
その点どうなっているのかをもう一度、町長はそれについてのご自分の見解について示すつもりがあるのかないのかお聞きしたいと思います。見解をぜひお願いしたいと思います。
それから、下水処理のことなんですが、今議会の最終日に、検討結果を皆さんに報告して検討していただきたいということなんのですけれども、そうすると、余りこの議会で議論する余地がなくなってしまうので残念なんですけれども、でもそれはそれとして期待したいと思います。
この件については、先ほども言いましたけれども、6番議員が3月議会で質問したわけですけれども、6番議員の質問に対して、当時の三島主幹は、東京都の環境局が生活排水の処理状況について調査をしているから、その調査結果を、そのときに取りまとめているから、それが出てきた段階で検討するという回答だったんですよね。
私はその後、支庁の事業説明会のときに、その点を支庁に対して質問したんですけれども、ところが支庁の方では、そういう調査はやっていないというふうに答えられたんですけれども、一体どうなっているのでしょうか。生活排水処理の実態調査がどうなっているのかということを疑問に思っているわけです。東京都が本当にやったのであれば、町の責任としてきちんと聞いてきて、その結果を明らかにしてほしいと思います。また、そうでなければ、町の責任で実態調査をしなければいけいなのじゃないかと思うんですよ。
3月議会では、町長さんもこういうふうにおっしゃっています。「東京都の専門家によれば、下水に流すのは完全に違反だ。まず実態調査をして、結果がわからないと予算化できない。皆さんの協力を得て取り組んでいく」というふうにおっしゃっているわけです。ここで町長さんのおっしゃっている下水というのは、下水道ではなくて、道路の側溝のことだと思いますけれどもね。このように町長さんご自身が、実態が違法であるということを十分認識しているわけですね。結果がわからないと予算ができないから、調査しますというふうにおっしゃっているわけですけれども、いずれにしろ、その実態調査が一体どうなっているんですかということを、今ここでお聞きしなければいけないのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、ロベの活性炭の問題ですけれども、非常に期待しているんですが、今お聞きして、どうなんですか。年間で1億2,000万円生む可能性があるということなんですけれども。私は本当は自分で試算してみると、そんなにいかないんじゃないのかなって感じていて、ちょっと。そういうことも含めて心配があってこの質問をしているんですよ。大体廃木が年間1,000から2,300トン出るというふうに発表していますけれども、そもそもその1,000トンから1,3000トンという試算がどこから出てきているかも、きちんと算出根拠をお聞きしたいと思います。
そしてまた、それを炭に焼いた場合にどのくらいの、炭に焼けば当然大幅に減少しますね。半分から3分の1以下になるんじゃないですか。ですから、年間315トンぐらいが見込めるというふうにおっしゃっていましたけれども、その辺ももう少しきちんと算出根拠を示していただきたい。それを410円で売るということですけれども、そうなってきますと、本当に1億円超えるんでしょうか。それでまた、それはすべて経費を抜きにした話ですから、畑から掘り上げて、それを運んで、生産して、人件費もかかると思うんですよね。それで幾らの残るのかということがすごく心配で、ちょっとこの質問をしているんで、経済効果1億数千万円の開発研究費でやるということですから、やってみた結果、原料も少ないし、大したことなかったということになると、また血税で、そういう国の予算を使ってやるということですけれども、本当にむだにならないかどうかちょっと心配なので、もう少しその辺踏み込んで算出根拠を示していただいて、失敗のないようにして進めていただきたいということです。
(「もう少し時間をね、まだわかんないことばかりだよ」との声あり)
もうちょっと待てということですか、この質問は。ぜひ成功させてほしいと思うので、その気持ちは変わりないんですけれども、予算を取ってきて、それだけの施設をして、何もならなかったということだと困りますので、きちんと調べてやっていただきたいということです。
それから、第2の項目の方のことなんですけれども、高齢者の問題なんですが、先ほども申しましたけれども、大切なのは医療面でのケアだと思うんですけれども、その辺が八丈ではどうなっているのか心配なんですよ。介護サービスというのは、医療の面と一体となって実施されなければならないと思うんですけれども、今八丈町では介護と医療の連携がうまくいってないというふうに、よく聞こえてくるんです。
具体的に言うと、どこの自治体でも行われているといいますけれども、八丈町でも行われていたそうですけれども、数年前までやっていた高齢者に対する訪問看護が今八丈では行われなくなっているということ。お医者さんの訪問看護ですよ。なぜ今行われていないのでしょうか。そして、これからもこのままでいくんでしょうか。この点について、町立病院ではなぜ医師による訪問看護を実施していないのかということを聞きたいと思うんです。高齢者に不可欠な介護と医療の連携をもっと強めていただきたいと思うので、その辺の方策についても、もっと踏み込んでお答えいただければと思います。
ことしの10月15日に「高齢化社会における痴呆ケア」、こういうテーマで、京都において国際アルツハイマー病協会が第20回国際会議を開くそうです。70余りの国や地域から2,300人を超える人たちが集まってくるそうです。痴呆症やその一種であるアルツハイマー病をめぐって、これほど大規模な国際会議が日本で開かれるのは初めてだということです。注目しておきたいと思うんですけれども、日本は世界でも有数の長寿国だそうですけれども、その中で八丈も高齢化率が全国水準を上回る勢いで進んでいます。八丈町は高齢者福祉においても、全国に先んじる施策が求められていると思います。
したがって、先ほどから述べているように、施設収容型から地域支援型へと福祉の流れに変化が起きている中で、八丈町も率先して在宅福祉の拡充に力を注いで、高齢者が元気に過ごし、人としての尊厳を重んじられる介護を実現していただきたいと思っている観点から、ぜひとも、先ほども特に、今後のことは支援していくということでおっしゃいましたけれども、よろしくお願いしたいと思います。
長戸路議長
町長。
浅沼道徳町長
2番議員にお答えいたします。
小学校の統廃合特別委員会は私から要請してつくっていただきたいと。そういうわけで8回もやっていただきました。その意見は尊重いたします。でも、私がつくっていただきたい、場所も決めていただきたいということとは全然離れた、8回の議事録は私のところに持っています。そういうわけで、当然議会あっての役場でございますから、提案は私自身がして、議会が反対だということになればできないわけですから、それは尊重いたします。
そういうわけで、ただその前に、11月から1月までの地域住民との相談の中で、地域代表をつくってやった中では、中間点という、歩いて行けるというのが原則でありましたので、新たな学校ということではないんですけれども、それらを協議すれば、当然三原中を中心として考えるということでありますので、この点よろしくご理解いただきたい。
今は特別委員会の中でも、1人ご熱心な方がいて、中之郷へつくるべきだ、町長と。こういう意見もあるよと言って、私の方へ陳情なんですけれども、熱心に僕のところに相談もありますけれども、ほかの人からは、8回のあれを出して、お1人からもどこをやれということはないです。
でありますから、私も決断をするのは簡単ですから、皆さんの意見を聞きながら、決まったときは、簡単ですよ、決断するのは。ただ、こんな重要問題は、三根小学校でもわかるように、地域同士で動かすということで大変なあれがありますから、慎重審議して、できればことしのあれをつくる、あれだけばしなくてはいけないということで取り組んでおりますから、近いうちに必ず決断して、皆さんの納得がいくように、1人でも多くの人が納得いくように努力しながら取り組んでまいりますので、よろしくご理解いただきますようお願いたします。
それから、下水道の問題は、経済面で莫大な金がかかるということで、合併浄化槽でやるということで、皆さんには報告していますけれども、それで取り組んでいくということであります。
それから、ロベの活性炭は反対か何かわかりませんけれども、国の予算を取るのでは、むだ遣いということを表現しましたけれども、私らが推薦しなければほかのところへいくわけですよ。成功、成功でなくてもね。そういうことは考えずに、予算がもらえて、そこで研究するということはすばらしいことであって、はっきりした数字は出ないですけれども、うちが事業主体ではないですけれども、ここにそういう現物があるという、ロベだけではないですね。すべての観葉植物からとれるということでありますから、それが成功すれば、すばらしい産業になると思います。
聞きますと、この前、課長も係長もいましたけれども、今東京都で荒川と多摩川と8カ所から水をとっているそうです。それもフィリピンから、それからあそこからとって、その活性炭で除去しているから、それができるならば、八丈のものも買ってくれるということを知事までが申してくれましたから、それができれば大変な島のあしれになると思いますよ。まだはっきり発表できないですけれども。それで、僕もこれをやる会社とは話しているわけです。これは一体物になるのかと。産業省も物になるから挙げてくれたんだと。町長、あとは我々で研究だと。雇用が先ほど7人と言いましたけれども、10人も要るそうです。研究員を入れると十二、三人になるんじゃないかという報告も受けましたけれども、何か7人ということでありますから、僕が10人と言わなくてよかんたなと。そういうこともできると。地元の人を作業員として、そうしたことにも取り組もうということでありますから、今後ともよろしくご理解をいただくようにお願いいたします。
それから、一番私が今度気になったのは、ひとり暮らし、これは大変だなと。実際、現在ひとり暮らしは564人ですかいるわけですけれども、そこの中で、皆さんもご承知のとおり、これは言っていいか悪いかわかりませんけれども、私のところへある人が来て、2,000万円寄附するよと。元気なおじさんが見えまして、収入役と来ましたときに、私はこの人は痴呆症じゃないか、収入役と。そうしたら、必ずしますと。何でと言って聞きましたらば、自分は三十数年この八丈へ来て住んでいる、すばらしい島だと。それで、町が頑張っているから、町長、お金は6,000万円あるけれども、まず2,000万円寄附しますと言って寄附した方が、実は皆さんご承知のように亡くなっていたんですね、ひとり暮らしで。それも何週間たって見つかったということです。
その訃報を聞きまして僕も飛んで行きました。そうしたら、本当にあの元気なおじさんが亡くなって、地域の人があれしましたけれども、そのときに痛感したのは、三根小学校の体育館ではりのところで祝っていましたから、そこへ行きまして、おじさん、八丈島は表彰規定がって、名誉町民とかいろいろありまして、表彰したいが、おじさんひとつあれしますかと言ったら、あんた何を言うか、町長。それでは寄附したものを返せと。私はそういうわけで寄附したわけじゃないと。私の意思があんたはわかってないと、そういって怒られたそのときは元気だったんですよ。謝りながらお酌も2回、3回して、そのときは元気だったんですが、それからわずか20日ぐらいたって亡くなっていたというんです。
そういう訃報を聞きまして、早速助役と相談しまして、やはりこちらもやろうと。申しわけないけれども、執行部の皆さん、それからまた管理職の皆さん、皆さん出ていただきたいと言って、そろってお通夜もし、また明くる日の葬式にも参加しました。そして、2人のめいとおいの方が来まして、おじからも聞いていると。八丈式でやったんだから、ひとつ町長、身内がない中であれだけの大勢の方に参加していただきまして、最期の野辺の送りができましたということでお礼に来ましたが、そのときに痛感したのは、あんな元気なおじさんであっても、ひとり暮らしであれば、何週間も亡くなったことがわからないでいると。
大変なお金持ちのおじさんであっても不幸だなと。これは何とかしなくてはいけないなというのを痛感したのでありますから、これも特に課長会議でも報告しましたけれども、実際にしたわけですから、今後取り組んで、564人がひとり暮らしを訪ね、そういう点でも何かうまく連絡をもっともっと、電話等いろいろあると思いますけれども、ほかにも1週ではなくて何日に一遍は、介護保険の中のあれとして訪問して、亡くなってから何週間たったということでなく、あれができるように、他に病気で倒れた方もここでできるという、そういうシステムをつくろうということで、構築書づくりをやっていますから、よろしくご理解いただきますようお願いいたします。
長戸路議長
病院事務長。
關村三男病院事務長
ご質問の医療面でのケアがどうなっているかという中の在宅医療につきましては、今現在月6人の方を対象に在宅医療を行っている実情でございます。
長戸路議長
企画財政課
山下企画財政課長
下水処理の関係の生活排水処理実態調査でございますが、後ほど補正予算で上程いたしますけれども、本年度で実施したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
長戸路議長
健康課長。
金川健康課長
介護の関係で補足的にご説明させていただきます。
介護の方は健康課で扱っているわけですけれども、医療面のケアというんですか、そこらの関係でございますが、うちの方では保健師、あとヘルパーがございます。保健師につきましては住宅訪問、それとヘルパーが在宅サービス、これを中心に助言や提言、指導、これを行っているという現在でございます。
介護医療というところで、医療面に関しましては病院の方から今説明があったと思いますが、そういうところで、今後もサービス業務の方をさらに充実してまいりたいと思っております。
あと、グループホーム、デイホームの関係でございますけれども、現在、東京都に申請している団体が2団体ということを聞いております。これらの団体等も町で介護サービスに入れて、サービスの事業として立ち上げていくのかどうか。ここらも今度の18年の法改正を含めまして、協議会で検討しまして進めていかなければならないかなというところでございまして、先ほど利用したい人が201名ございます。そういう人たちが全員入ったとしても、多分施設としましては10名から20名ぐらいの施設であれば、まだまだ足りない状況でございまして、町の方も一生懸命それらの事業者等のご指導をしながら、町として必要であれば、協議会の判断の中で意見書等も出しまして、東京都の方に設置をお願いしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
長戸路議長
2番、小宮山 建君。
小宮山
今ようやく町長の回答が、ちょっとあいまいなんですが、三原中を中心にして考えていると。ただ、まだ決断はしていない、近々決断するということですね。ということで、その近々がいつなのかちょっと心配ですけれども、それはそれとしてお聞きしておきたいと思います。後ほど睦男議員の方からも質問があると思います。
それから、下水処理施設なんですが、ようやく実態調査を来年度でやると。それは歓迎したいと思います。具体的にそれをまた調査した上で、莫大なお金をかけなければいけないわけですけれども、処理施設をつくっていかなければいけない。そのやり方については、ここの議会でもいろいろと提言が出ているし、例えば農業集落排水であるとか、いろいろそういうのを見てきているわけですよね。あるいは漁業の関係であるとか。
ですから、例えば洞輪沢地区を先にやってみたらどうかという意見も出ていると思うんですよ。具体的にそういうふうな話を進めていくような、ただお金がかかるから大変だ、大変だではなくて、どこからお金を取れる道があるのかということを探りながらやっていくということが必要だと思うので、ぜひとも、議会の皆様も本当にあちこち視察しているし、知恵も持っていると思うので、相談しながら進めていただきたいと思います。
ロベの活性炭については期待しておりますけれども、ちょっと心配だということで、詰めていただきたいということを申し上げているわけですからね、町長。その点よろしくお願いします。
高齢者の問題については、先ほどから1番議員も申し上げましたけれども、問題は、在宅介護が整ってないということに問題があるということを、どれだけ認識しているのかなというふうに思うんですよ。町長の先ほどの答弁でも、その辺の話は町長の認識として不十分ではないのかなという僕は気がしますよ。八丈町の医療の問題もそうですけれども、その辺でどういうサービスが欠けていて、それに対してどういう対策をとっていく必要があるのかということを、もっとその点に重点を置いて検討を進めていただきたいということを要望したいと思います。
以上、質問でなくて要望ということです。
(「はい、わかりました」との声あり)
2004年9月23日 (小宮山たけし記)