《資料》
一般質問と回答(全記録)
八丈町議会第4回定例会(2004年12月7日)
質問要旨
町長選挙や議会選挙での有権者への情報提供を
町はどのように実施するのか。
本日は久々に傍聴の皆さんが大勢見えて、この1月に町長選があるということで、関心が高まって来ているのかなというふうに思いますが、私の質問はその町長選挙や議会選挙での有権者への情報提供を町はどのように実施するのかというテーマで3点にわたって質問いたします。
この本議会、12月議会において、町は2つの条例改正にあわせて新しい条例として選挙公報発行条例を提案しております。
私は議席を得て最初の定例議会、平成14年12月のこの会議場で、選挙公報の発行を求める意見を述べました。これに対して持丸総務課長は、選挙期間が5日間ということですけれども、短いので難しいとして今後検討していくというふうに答弁されています。またそれに先立ちまして、平成12年12月議会においては、菊池睦男議員がこちらにいらっしゃいますけれども一般質問を行った上で、選挙公報の発行を求める意見書を小澤一美議員の賛成を得て提出する経過もあったそうでございます。
いずれにしろ、議会の側からの求めがあってもこれまでは実現できなかった選挙公報の発行ですが、今回新しい条例が提案され、来る1月の町長選において初めてこれを実現しようとしていることに対して、私はまず心から歓迎の意を表したいと思います。
公正な選挙のために、有権者に対して候補者の経歴や政権など必要な情報を提供していくことは、民主主義政治の基本だと思います。今全国的に国民の政治離れが進んで、選挙の投票率は回を重ねるごとに低下する一方です。その中で八丈町の場合は、投票率はいまだに高水準を確保しているということでございますが、そうではありながら住民の政治への関心を高め、選挙への参加を促すための努力は、より一層強めていくことが重要だと思います。
その認識に立ちまして、多くの困難な事情を克服して、選挙公報の発行を実現しようとしている八丈町の努力に対して改めて敬意を表するものであります。
開かれた議会を目指す本議会としても議会中継の実現などの課題を抱えておりますが、町に対してこの選挙公報発行にとどまらず、有権者の政治選択に必要な情報を提供していくために、今後とも一層の努力を期待しながらそのことに関する町長の見解と今後の町の方向を伺います。
まず、第1点ですけれども、選挙公報の発行の決定に至るまでの経緯はどうだったんでしょうか。そして、条例を見ますと今後発行する予定になっておりますが、その見通しについてお伺いします。
さっき述べたとおり、私は2年前の12月議会で選挙公報の発行を求めました。そのとき持丸総務課長は5日間という選挙期間の中に、これを印刷してすべての住民に届けることが難しいというふうに述べております。そして実現については、そのときには明言しておりません。町はその発行を妨げる要素をどのように解決して、今回その実現に至ったのでしょうか。
今町が予定している公報の中身というか、資料というか、すなわち1候補者当たりの書き込める紙面の大きさなどあるいはまたさらに印刷、発行、そして住民への配布方法がどうなるのか等について、公報に関する企画の概要について、これは年明けに待っている町長選あるいはまた2年後の町議選ともに、それぞれについてどういうふうになっていくのか、その説明を含めてこれまでの経過について示してくださいということでございます。
それから2番目の質問ですけれども、公報発行に決定に際して浅沼町長の姿勢はどうだったのかということについてお伺いします。
いよいよ年明けに町長選が控えております。浅沼町長は再選を目指すことを表明されているわけですから、みずからの4年間の町政に対する町民の評価をこの選挙で初めて受けることになるものと思います。その選挙を控えて町長は、ご自分のこれまでの実績と次期町政に再び挑戦するに当たっての政策を町民にきちんと伝える、そのことが重要であると判断して今回、八丈町で初めての選挙公報の発行を促したのではないでしょうか。そうであるなら私は大変すばらしいことだと思います。
そこで、今回の決定に至る過程において、町長がどのような指示を行ったのかを伺いたいと思います。そして、それを決定して実現に向かおうとしている今、町長はどのような感想を持っておられるかについてもあわせてお聞きします。
続いて、3番目の質問ですけれども、有権者への情報提供について、また町長にこれはどのように考えるかについてお伺いします。
有権者が政治選択をするために必要な情報の提供には、町はさらに積極的に取り組んでほしいと思います。そして、議会の側も、それにあわせて開かれた議会を実現していくために、議会活動を住民に公開するための方策を積極的に進めなくてはならないと感じております。
浅沼町長は4年前の町長選挙に臨んで演説会を開催されました。また今回は、初めてみずからの実績や政策を示すリーフレットも作成されたようです。町長がこのような言論によって自己の信念や政治姿勢を訴えようとしていることは、大変すばらしいことと私は受け止めています。
このように言論活動を活発に行っている浅沼町長は、候補者が有権者に政策等の情報提供を行うことの重要性についてどのように認識しておられるのでしょうか。1月の町長選挙を控えて、住民の中には立候補者による公開討論会の開催を求める動きがあります。この住民の動きに対してどう対応するのかも含めて町長の見解をお聞かせいただきたいと思います。
長戸路義郎議長
総務課長持丸孝松 総務課長
2番、小宮山 建議員の質問にお答えします。選挙公報の発行に至るまでの経緯はどうだったか、また今後も発行は可能かということでございますが、選挙管理委員会においては、選挙公報については建議員の前々、助役の総務課長時代からの課題でございました。なぜ発行できなかったのかということは、2年前にもお答えしました。まず、島内の業者ではできないということが1点でございます。それと、2点目として内地の業者に依頼した場合、告示から選挙までの短い日数の中で天候が悪くなった場合、選挙人に果たしてそれが届き切れるのか、配布することができるのかということを考えると無理であるという判断から、選挙公報の発行は見送っていました。
そのような中、選挙管理委員会においては、今の社会情勢の中、また住民に選挙を身近にしていただくためにも、また意識を高めてもらうためにも、選挙公報の発行には前向きに以前から取り組んできたことでございます。取り組みの中で、内地の業者が無理であれば八丈町で印刷して、写真なしの文字だけの選挙公報を発行しようかとかそういうことを検討してございましたが、そういうことで文字だけの選挙公報というと国の方では写真入りということでございますので、都の選挙管理委員会等にも指導を仰ぎましたが、全国で文字だけの選挙公報は今までないんだということではあるけれども、違法でないということを受けましたので、じゃそれをやろうということで、やってみようということで取り組んでございましたが、島の業者に写真の部分をもう一度検討して。相談に乗って対応していただいたところ、失礼な言い方で、本人が確認できる写真の状態ができたと、そういう結果をもって選挙管理委員会で写真入りの公報の発行ということを意思決定したわけでございます。
選挙公報発行に対しては条例を制定しなければなりませんが、その次の今後の発行は可能かということにつきましては、条例では今後の町長選、議員選挙には公報の発行をやむを得ない限り、天災とかいろいろなことがない限り、また八丈町で印刷をしますが、その機械等が故障しない限りはずっと発行するということで、その企画はどうかというと、A3判の用紙がございますが、そのA3判の用紙を2人で利用するということで写真、名前、その政権を訴えるというようなことでの書式でございます。その上で発行というか、配布については、大変ご足労ではございますが、八丈町の振興員の方にもし条例が通れば1月16日の町長選挙に発行しますので、暮れから振興員にお願いしまして、また行くときもお願いして振興員を通じて行うと。それで隅々まで行き渡らない場合等いろいろなことがございます。そういうときは各出張所とか、この町役場の窓口に公報を置きまして防災無線等も要るということで広報したいと思います。
2点目の公報発行の決定に際して浅沼町長の姿勢はどうだったかということでございますが、私どもというか、選挙管理委員会は町長からのそのような指示、そういうことは何もございませんし、町長がそういうことを指示出すことはおかしいかと思います。
それと、3点目の有権者に情報提供ということで町長にもございますが、有権者の情報提供というのは、選挙の関係であれば町で提案できるのは今回取り組んだ選挙公報、ポスターの掲示の設置、それから選挙用はがき、あとは選挙に立つ方の選挙の努力だと思います。
また、町の方で有権者が政治選択をするために情報提供というのは、我々はやはり八丈町の広報を中心に行ってございます。
また、その広報の中には、先日掲載した火葬場建設なんかについても住民は意見があったら提案をいただくようにとか、そういう情報提供も行ってございます。また先般、下水道事業については住民を無差別に選定してアンケートなどを行って住民参加をしていただき、事業判断の材料としてございます。
自治会や振興員の集いでは、皆さんとひざをまじあえて話し合い情報交換等を行ってございますが、また今年度からは議会の提案もあった事業説明会にも取り組みをいたしまして情報提供、共有して、住民と協力して参加してもらう自治体ということで、私担当から思ってございます。
以上です。
議長
再質問、2番。(「町長に質問しているんです」の声あり)
議長
町長。浅沼道徳町長
答弁いたします。2番議員は勘違いしているんじゃないですかな。選挙管理委員というのはちゃんと独立採算でやっているんですよ。そこへおれが口を出したら大変なことになるわけですよね。まずこれが基本ですから、質問の中身をちゃんと調べてやっていただきたい。そうでしょう。この発行なんかの……(「感想を求めているだけですよ」の声あり)
町長 だから、今僕の代理で総務課長が答弁しているわけですが、担当課長が、そういうわけでございますので、町長の姿勢なんていうのは入ったら大変ですよ。私が日本ではできます、絶対それできませんよ、日本全国の日本の自治体では。それが基本ですからひとつ勉強して質問していただきたい。
小宮山
勉強しろということですけれども、私はそれと離れてこの今回の施策に対して、町長がみずからの選挙を控えていて、そういう中でみずからもそういう公報を出すことになるわけですから、言論でもって行う選挙がこうやって発展していくんだということに対してどういう感想を持たれているんですか。
あるいはまた、もう一つ質問したんですよね。さらにそういう公開討論会も含めた住民のそういう要望に対して、そういうことを発展させていくということについて、町長はどういうふうにお受け止めになって対応するおつもりですかということも聞いているわけですから、全然今回は答えていただけていないんですが、もう一度その点を確認したいと思います。
それから、選挙公報についてはもう少し具体的に教えていただきたかったんですけれども、5日間という中で非常に短期間でやるわけですから難しいという話だったんだけれども、公示の当日に受け付けて何日間ぐらいで印刷して、何日ぐらいに発行して、何日間で配布しているのかという見通しも含めて今の現状ではどうなのか、それで今後の見通しはどうなのかということについてお聞きしたいと思っているんですよ。
(「条例にありますから、条例にうたっていますよ」の声あり)
小宮山
条例に方法は書いていないんじゃないですか、そこまでは。
(「規則で定めるんだよ」の声あり
小宮山
ですから、それは今の見通しを聞いているわけですよ。
(「まだやっていないんだよ、条例の 」の声あり)
議長
ちょっと待ってください。小宮山
そういうことを含めて、今後の努力も含めて改善していただきたいと思うのでお聞きしているわけです。
あと、町長はそれに対して、これ選挙公報の発行は先ほども答弁もありましたけれども、国の側では衆議院とか、参議院議員、これも全部というわけじゃないですけれども、比例区とかそういうのには義務づけられていないようですが、公職選挙法の167条で記載してありますけれども、少なくとも地方議会には義務づけられておりません。市町村長であるとか、町村議会の選挙においては義務づけられていないわけです。ですから、県議会の選挙でも実施していないところもあるそうですけれども、私はそういう意味では今回八丈町がそういうことをやるようになったということを非常に僕は喜んでいるし、そういう意味でお聞きしているわけです。
ですから、先ほどのもう一度お伺いしますけれども、選挙公報の発行には現行の受け付けから有権者への配布に至る期間をいかに短縮するかが最大の課題だと思うので、その点はどうなっているのか、今後の見通しも含めてお聞きしたいと思うんですよね。
それと、もう1回町長に確認しますけれども、今回町長選の候補者が公開討論会を行ってほしいとの投書が先日南海タイムスにも掲載されました。そこでは、候補者が自分の言葉と声で重要な政策課題をわかりやすく説明してほしいとして、これまでのイメージ優先の選挙ではなくて、候補者が個々の政策について公開の場で発言する内容政策中心の選挙への転換を求める意味で、私はその主張のすべてに納得し共感しています。
去る2月の三宅島の村長並びに村議選が行われましたけれども、周知のとおり村民が島の外で離ればなれの生活を強いられている中で、選挙の実施には大きな困難を伴ったものと思います。そうした中でこの選挙では公開討論会が開催されたと聞いています。この討論会は社団法人東京青年会議所が主催したと聞いていますが、この東京青年会議所によれば、ことし都内でほかの16の選挙においても公開討論会を企画し開催しているそうです。そして、この団体は公開討論会についてこのように述べています。
討論会が唯一立候補予定者の方々へ本音で政策を語っていただける機会であり、有権者にとっても政治をより身近なものとしてとらえていただく唯一の場であると確信しております。また、社団法人東京青年会議所は政治的に公正、中立な立場の公益法人であり、国民の責任世代の代表としてこれを実現させることが重要な使命だと考え取り組んでおりますというふうにおっしゃっています。
今地方議会としては画期的な選挙公報の発行が実現する八丈町は、ぜひともこうした有権者の期待にこたえて公開討論会の開催に努力すべきだというふうに思いますが、町長はどうその点についてお考えですかとお聞きします。
議長
総務課長。総務課長
2番議員の質問にお答えしますが、一応選挙公報の印刷はA4判になりまして、片面印刷ということであれば八丈町の印刷機で、1時間余りでできようかと思います。それと、町議選になれば両面ですので、十二、三時間かかるんじゃないかということでございます。それで、当日といいますか、11日には8時半から5時まで受け付けますので、その後いろいろな調査をやって、その選挙公報を印刷できるかなと思うのは午後8時ごろからだと思いますので、9時ごろまではできるんじゃないかなと思いますが、中の調査関係でその関係は明確でございません。
一応私どもの選挙公報の関係はこういうふうなA3の公報、これを上面と下の方ということでこれに1面と、町議選の関係もこういう関係で行いたいということです。よろしいでしょうか。
(「大体いつまでに配布できるんでしょうか」の声あり)
総務課長
できれば印刷の都合ですか、当日11日の夜12時までかかってもできるということであれば翌日は配達、とにかくでき次第、振興員にお願いしに行くということでございます。議長
町長。町長
先ほども答弁いたしましたが、その選挙公報発行の件についても、それから公報発行のあれも私のあれじゃなく、選挙管理委員から要請があれば、こうしてほしいと言うならば当然そのあれをもって取り組んでまいりますので、私が勝手にまた有権者だけに情報公開というふうには、これは町民としてできないわけですから、その点よろしくご理解いただけますようお願いいたします。議長
討論会についての話があるんじゃないの。(「それはどうなんだ。個人的なことで、町長選挙の できることじゃない。議会で言うことじゃないよ」の声あり)
町長
討論のあれは個人的なものですので、言えるものじゃないし。議長
よろしいですね。2005年1月25日 (小宮山たけし記)