ホームニュース沖山芳清一般質問と回答0412

 

《資料》

分権時代における町長の政治姿勢を問う

 八丈町議会第4回定例会(2004年12月7日)


沖山芳清議員の一般質問(要旨)

沖山芳清 地方分権改革は小泉内閣の大きな政治課題だ。八丈町も、本年度地方交付税の2億6,000万円の大幅減額など、予算編成は厳しいが、分権改革の流れをとめるわけにはいかない。

我が町では町村合併から50年が経過した今でも、旧村時代の地域ごとの要求が残っている。小学校建設問題でも、地域の古いこだわりが頭をもたげている。この現実を八丈町の政治はどのように考えていけばよいのか。今こそ八丈町を一体化し、町を単位とした政策の優先順位で町づくりを進めるときではないか。

国は既に八丈町9,000人を単位とした財政支出をより鮮明にしている。この分権の流れを町政に反映し、町のあり方や仕組みについて議会や住民に提案する町長のリーダーシップが問われているが、浅沼町長の所見を伺いたい。

国は来年度の予算編成の最終調整の時期を迎え、来年度予算は厳しく縮減される。所得税、住民税、国民年金や介護保険料、そして消費税など私たちの住民の負担が大きく増えるのだ。

八丈は空港の完成や都市計画道路の進捗など大型公共事業がほぼ終了し、用地買収や家屋移転などに伴う建設事業が鈍ってきている。一方八丈町の観光不況は深刻だ。景気の冷え込みはホテル、民宿、売店、食堂、タクシーなどの経営を圧迫し、雇用の場を失った人たちがあすの生活に困っている。浅沼町長は、観光誘致のための東京駐在派遣事業を打ち切ったが、それにかえて成果があるような観光誘致策を実現できたかを問いたい。観光立島の理念は歴史や文化、自然環境と島の特性を生かした個性ある島づくりと、農・漁業等の第一次産業と連携した付加価値の創造による島経済の活性化、雇用の創出であろうと言える。

八丈町の景気の冷え込みは政治の責任だ。地方分権、自治の原点に立ち、八丈町の経済の現状を分析し、将来を展望し最も必要なところへ知恵や税金を投入する政策予算が必要だ。行政に経営センスが求められている。

八丈町予算における投資的経費の大半は町道と住宅建設で、国庫補助誘導から脱皮しようとしていない。予算を行政の経営戦略としてみれば、八丈経済の全体を視野に入れたハード、ソフト両面からの活性化策をいかにして図るかが政治であり、それを企画し決断するのが、町長の役割だ。浅沼町長の分権改革的視点から見た町づくりについて所見を伺いたい。

町長 政府と与党で三位一体の全体像が決定したが、総務省と国の財務省とまだ話の折り合いがつかず、今後2年間にわたって国民のための施策を取り上げていくということで進められている。

ただ、お金がなければどんな改革もできないのが実情だ。八丈町の町民税が約9億円、それで今我々初め、保育園の先生を入れて262人の給料を払うのに11億3,000万円金が要る。

三位一体では人口に比例して予算をつけるという。我々小さな町村がつぶされては困るから面倒を見ていただきたいと運動して、国の財政と東京都の財政を見ながら全国町村の村長さんと一緒になって、今後取り組くむのでご理解いただきたい。ただ理想を言っても財源がなければ何もできない。

観光問題にしても今どこの地域も観光に力を入れているが、全国が冷え切っている。八丈町だけではない。その点は元気出して、知恵を出して、自立性を出して、取り組んでいく。

沖山芳清 三位一体の改革というのは、国から地方への税財源の移譲であり、分権改革の一部にすぎない。この町のあり方はこの町で決めなさい、この町で条例を決めなさい、国は干渉をしないと、これが地方分権一括法に書かれている。

我が町も50年たった今なお地域間のしこりが残っている。わずか9,000人の八丈町というところでまだまだ一体感が醸成されていない。その醸成をしていくのが、実は地方分権の大きな改革なのだ。

三位一体の改革が100%すばらしい改革だとは思ってはいないが、私たちの町を私たちがつくるときに、どう自己決定、自己責任、自己負担をするかという議論をしていかなけれならない。単に国から地方への税財源の移譲ばかりにこれを矮小化すると、本当の地方分権が進まないと言ってきたが、何度やっても浅沼町長と私との議論がかみ合わない。金がなければ何もできないと言うが、金がなくてもできることもあるし、お金は仕組みとして交付される。観光は日本全国が冷えているんだと言うが決してそうではない。それぞれの自治体も観光の誘致合戦に働いている。大分の湯布院、あんな山の中にどうして年間100万人も超すような観光客が行ったのか。八丈町という自治体が自分の責任でどう観光客を誘致するかに力を入れなければ八丈町の産業は振興できない。ここのところは、これ以上私が議論をしても始まらないのなら回答はいらない。

2005年1月25日 (小宮山たけし記)

 

 

ホームニュース沖山芳清一般質問と回答0412