町長の政治的倫理観を問う
6月6日に開かれた第2回定例会の第1日目に6名の議員が一般質問 を行いました。私は3番目に立ち、町長の政治倫理に関する姿勢をただすとともに、観光政策に関して以下の質問を行いました。
一般質問(2004年6月6日)
(1)再出馬を表明した町長の政治的倫理観を問う
小宮山 町長は、長期の政治生活から、政治と金をめぐって公正さを求められる政治家として、律すべき行動規範をどう認識し、どのような政治的倫理観に基づいて職務に当たってきたか。
国政の場では年金未納問題を巡って混乱が続き、政治家の資質が国民の厳しい批判にさらされている。すべての国民に課せられた義務を政治家が率先して果たすべきであることは言うまでもないが、さらに政治家には、常に国民に範を示す倫理的な高潔さが求められなければならない。
町長は、長期の政治生活から、政治と金をめぐって公正さを求められる政治家として、律すべき行動規範をどう認識し、どのような政治的倫理観に基づいて職務に当たってこられたか。
町長 町議6期と町長で計27年4カ月、島の政治に立ち会ってきた。地域社会において、人として守るべき道はちゃんと守り、踏み行うべき道をちゃんと進んでいくというのが私の政治姿勢だ。島で金銭的問題を侵して、行政をやったことはない。
小宮山 先日、ある地区の高齢者の集まりで、町の公共事業関係者の寄附した品物が町長の自宅で製造された、という話を耳にした。それ自体が公職選挙法に抵触するかはともかく、公正に戦われるべき町長選に向けて、決して望ましいことではないのではないか。
町長 私は一本も魚を切っていない。とんでもないことですよ、政治倫理ということになれば。中之郷の方が20人ぐらい来て、2号品という売れないトビウオがあるから、どうしても加工場がないから貸していただきたいと。それは見ているが、私が1本も切ったわけではなく、私が1人でもやったわけではない。こういう質問を一般質問の中でやるということは大変な名誉毀損だ。
小宮山 私は、町長が切ったとは言っていない。町長の自宅が使われたことが、いろいろな憶測を生むことになるからよくないのではないかと申し上げた。それについて、何の問題もないと思っているという町長の見解として、受け止めておく。
(2)観光立島に向けて、八丈町の政策を示せ
小宮山 見るだけの観光から体験する観光へと転換が求められる時代に、自然と共生し、自然を素材とする観光、そして豊かな伝統文化を生かした観光の重要性が増している。町は観光客誘致だけでなく、新たな観光資源の開発に取り組む考えはないか。
またそのためには、観光業者だけでなく、島のすべての産業が連携した受け入れ体制が不可欠だ。とくに1次産業と観光をリンクしていくことが重要な課題だ。町は観光を機軸として島の各産業を結ぶネットワークづくりに取り組む考えはないか。
産業観光課主幹 東京都離島振興計画の八丈島基本方針の中でも、地域資源を積極的に活用し、農業、漁業、観光業の総合的な育成を図りながら、島のありのままを享受できる体験型観光を推進していくと、位置づけている。そのアクションプランを検討し、実現可能なものから取り組んでいく。
現在、町は田園整備事業を行っている。本年度は、ホタル水路公園にあわせて水田整備、また親水公園の建設、そして農道整備などを行う計画だ。
また、伝統文化を生かすものは、ふるさと村で観光客へのもてなしを進めている。本年度は施設整備を行い、太鼓など観光客の方々にも楽しんでいただく多目的施設を目指している。
ネットワークづくりとしては、八丈島の産業振興を図っていく上で、連携が不可欠だ。アクションプランでも島おこしの戦略的テーマとなっている。今後、観光振興実行委員会の中で、観光立島のあるべき姿の一環として取り組んでいく。
小宮山 先日、私たちが宮崎県と鹿児島県を視察したが、宮崎では、東京都でもやろうとしている魚のブランド化をすすめている。綾町では自然生態系農業で農産品をブランド化し、年間140万人の観光客が訪れるようになってきている。そういうものを学び、八丈町にも生かしてほしい。
1次産業、伝統工芸等の島全体の産業とリンクしながら、八丈町を挙げての観光の体制をつくっていく必要があるが、そのネットワークづくりを具体的にどうするのか。
産業観光課主幹 アクションプランの中で、農業、漁業の加工業との連携という形に位置づけており、今後このアクションプランを土台にしながら、実行委員会の中で総意を求めて進めていく。島おこしのテーマになっている戦略として、今後進めていくことになる。