ホームニュースたけしの議会レポート(3)

 

たけしの議会レポート(3)

 

全員協議会も活発ですよ

11月25日(火)午前10時から全員協議会が開かれました。平成15年度以降の町の事業計画についてが主な議題です。町営住宅や道路建設、消防施設整備など、町の行っているすべて事業について、執行部からの説明を受けて質疑を行いました。

それによると、事業にかかる総額は各年度とも17〜18億円。町の歳出の総額が約70億円なので、その4分の1が、これらの事業に使われていることになります。中でも、町営住宅の建設には15年度に3億7千万、16年度6億9千万が予定され、また道路建設にも15年度で5億円以上が使われ、町の予算の大きい部分が、これらの土木建築関係で使われている事がわかります。

ところで、中之郷小学校の校舎改築のための設計に1千万円が平成16年度の予算として計上されていたので、私は学校統合との関連を質問しました。学校統合についてはようやく町も動きだし、これから住民の意見を聞く手続きにはいるようですが、すでに校舎が危険な状態なので、統合問題の成り行きには左右されずに改築の計画を進めていくとの事でした。

なお、私が提案した議会のホームページについて、その概要説明を行って、公開が承認され、まもなく公開される予定です。中身はまだまだ貧弱ですが、今後みなさんのご意見を聞きながら改善していきますので、よろしくお願いします。


この日の全員協議会への議員の出欠(議席順)
〈出席〉
芳清、建、和鶴右衛、松邦、道、幸子、博文、英治、博、孜行、六郎、一美、宗春、義郎(14名)
〈欠席〉
淨文、陽之助(2名)
淨文議員は病欠、陽之助議員は不明。


質問、意見を行った議員
芳清、建、和鶴右衛、道、幸子、博文、英治、博、孜行、宗春(10名)
(今後は回数もカウントしようかな。でも内容も問題だしねー。それにしても けっこう活発な会議でしたよ。傍聴席には道夫、睦男両前議員の姿がありました。)



給食食器に陶磁器採用は住民意思でしょうか?
                ー 真の「住民主役」とはー 

25日の全員協議会で町が説明した16年度の事業計画の中に、学校給食用の食器を陶磁器に切り替えるための予算が約8千万円計上されています。これについて幸子議員が、町は検討の末、すでにポリプロピレンの食器で問題はないとの結論を出した経過があるのに、予算の無駄遣いではないか、と質問しました。それに対し、町長は子供たちの健康を守るために陶磁器の採用が必要だと就任前から考えていて決断した、と説明しました。

この問題は、女性による住民運動をすすめている「女輪の会」が町長に陳情して予算化されたように伝えられていました。

住民が町の問題を真剣に考え、積極的に行動していく事はすばらしいことであり、女輪の会の活動には敬意を表したいと思います。また町長も持ち前の「実行力」で、それに即座に対応したこと自体は評価できます。しかし、この問題に関わっている住民は陳情した方々以外にもたくさんいるはず。だから、実行に移す前に、もっともっとしっかりした話し合いを持つ必要があったのではないでしょうか。

この食器が陶磁器に切り替わることによって、配送用のトラックも2台必要となるそうです。また、給食センターの設備や学校の備品も大幅に入れ替えられることとなり、その予算だけで8千万円もかかるのです。配送用トラックが2台になるわけですから、当然そのための人員も増員することになるでしょう。したがって、切り替え後の運営や維持にかかる費用の増加も覚悟しなくてはなりません。また、経費の問題だけでなく、割れやすい陶磁器を子供たちが取り扱う危険性も指摘されています。

私は「住民が主役の町づくり」を訴えています。しかし、それは一部の住民の要望に直対応するような短絡したものではありません。それでは「住民主役」ではなく単なるバラマキに過ぎません。そうではなく、大多数の住民の合意によって進めていく町づくりが大切だと私は思います。そうでなくては、町にとって本当に必要な事業に大切な予算を使うことができないからなのです。




ブロードバンドを進める請願、9名が紹介議員に

すでにお伝えしているように、島嶼のブロードバンドを進める請願署名が始まっています。この請願をとりまとめている樫立の伊勢崎唯さんは、25日の全協終了後に各議員に対して紹介議員としての署名をお願いしました。

その結果、この日は16名の議員のうち、以下の9名が署名しています。

沖山芳清、小宮山建、沖山道、奥山幸子、奥山博文、山口英治、小澤一美、土屋博、沖山宗春

公明党の伊勢崎和鶴右衛、山下松邦の両議員は、党としてこの件に取り組んでいるけれども、この請願に対しては党として検討した上で、態度を決めるとのことでした。

また、菊池孜行議員は、請願の採択には賛成するが、紹介議員としての署名はしないそうです。

田村六郎議員は、チャンスを逸したため依頼できていません。

山下淨文、菊池陽之助の両議員はこの日の会議に欠席したため、依頼していません。

長戸路義郎議員は、議長なので署名できません。

以上です。




オープン型か、クローズド型か
               最終処分場問題の説明会

25日午後1時からは、八丈町に建設を迫られている管理型ゴミ最終処分場について島嶼町村一部事務組合(注)による説明が、役場大会議室で町、議会、関係者に対して行われました。

厚生労働省の指示によって、管理型処分場は、平成18年度までに各自治体で設置することが義務づけらています。伊豆諸島では、すべての島に作るのではなく、大島、三宅、八丈の3島に建設する計画です。

この事業計画を担当している一部事務組合では、八丈島における予定地として、現在の中之郷ゴミ処分場近くの土地を提案しています。同組合は、島内21箇所の候補地をリストアップした上で、総合的に判断してこの土地がベストとの結論になったと説明しています。

しかし、中之郷のこの土地は、町への債務を返済できる見込みがたたない債務者に対し、最近、町が債権を放棄した相手が地権者です。そしてその点で、選定における不明朗さを指摘されてきました。

現在の中之郷ゴミ処分場から見た最終処分場の候補地。   
そこに降った雨は現在の処分場と同じ沢に流れる。      

そこで町長はこの日、自分の名誉に関わるから、この土地での建設計画は止めてもらいたいと思っていることを繰り返し述べていました。

また、この処分場は屋根をかけないで埋め立てていく「オープン型」を前提にして計画されてきました。しかし、これからは環境に与える影響を最小限にするために、処分場を屋根で覆ってしまう「クローズド型」での建設が大きな検討課題になって来ました。

そこで、この日は両方式についての長所、短所ならびにそれぞれの建設費や運営費の比較などについて説明が行われました。

ところが、一部事務組合の説明には、すでに進めてきたオープン型での建設計画を何とか変更しないで済ませたい、との姿勢が強く感じられ、提供された比較資料には客観性のないことを、私を含む多くの議員が強く指摘しました。

たとえば、クローズド型では建設費が3億円くらい高くつくと説明していますが、それはオープン型のために選んだ中之郷の土地を前提にしています。その土地は極めて地盤が軟弱なために基礎工事に経費がかさむのです。また、オープン型では、主に廃棄物が飛び散るのを防ぐ必要から土をかぶせなければなりませんが、これとまったく同じ作業をクローズド型でも実施するものとして比較しています。

クローズド型での建設を主張している山口英治議員は、特に激しい口調で説明の矛盾点を追及し、その他の多くの議員も、納得できる説明を求めました。

しかし、菊池孜行議員だけは、日本全国でオープン型処分場が作られ、問題なく運営されているとし、さらにクローズド型での建設費の負担が重すぎるとして、早急の建設が義務づけられているこの建設計画は、オープン型で進めるべき、との意見を述べました。

たしかにこれは非常に差し迫った問題に違いありません。一刻も早く方向を決めて建設に取りかからなくてはならないでしょう。しかし、だからといって住民の安全、自然環境の保護を軽視する事は絶対に許されません。また一方で、厳しい財政状況の中で、建設や運営にかかるコストもしっかり見通して将来に禍根を残さない判断をすべきです。そのために、一部事務組合には、もっと客観性のある資料の提供を私は強く要求しました。

また、同組合に頼るだけでなく、私たち自身が独自に情報を集めて研究していくことも重要だと思いました。


(注)島嶼町村一部事務組合
一部事務組合とは、一つの自治体をこえる広い区域に関する行政上の業務を進めるために、複数の関係自治体が参加して作られる行政機関です。伊豆諸島、小笠原の9町村で構成している「島嶼町村一部事務組合」は、事務局が浜松町の島嶼会館にあり、現在この管理型最終処分場建設計画だけでなく、島嶼学生寮の運営にも携わっているそうです。

2002年11月28日 (小宮山たけし記)

 

 

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