樫立小、中之郷小の統合に関して町執行部は今年2月、三原中敷地内に併設する方針を示しましたが、これに対し、主に中之郷地区の皆さんが強く反発し、三原中PTA、中之郷小学校PTAでは「併設反対」を決議したと伝えられています。
そして、中之郷地区にある真砂保育園の保護者の方から、併設に反対する趣旨の『お願い』と言う名の文書が私を含むすべての町議に送付されました。文書のなかでは、町長、町議、教育委員と坂上の小、中および保育園の保護者の話し合いを開くことを求めています。
こうした動きの中で、3月11日に三原中において話し合いの場が持たれたのですが、私はこの集まりに参加することができなかったため、下記の「見解」をお送りしました。
学校統合問題に関する私の見解
2005年3月11日
八丈町立真砂保育園保護者ご一同さま様
八丈町立真砂保育園保護者代表 菊池ひとみさま
河原 京子さま
八丈町町議会議員 小宮山 建
拝啓
先日は「お願い」と題する文書を、速達でお送りいただいたのに、今日まで回答が遅れてしまい、申し訳ありません。また今晩、皆さんと話し合う機会が設けられたとお聞きしていますが、私は仕事の都合でどうしても参加できません。
そこで、この問題についての私自身の見解を、以下の通り文章にしましたので、取り急ぎお送りさせていただきます。
住民代表でつくられた建設推進協議会から@三原中には併設しない、A樫立、中之郷の中間地に建てる、との要望が昨年初頭に出されました。議会としては、特別委員会をつくって検討した結果、三原中前は地形的にも問題が多く、財政上も無理があるとし、その上で、町執行部の責任で適地を精査して選定すべきである、との結論を出し、そのことを昨年8月当初に町長に答申しました。
問題は、その後、年が変わるまで町が全く動かなかったことです。
議会で質問すると、町長は用地選定も特別委でやるべきだった、と責任逃れの発言を繰り返すばかりでした。
そして、町はようやく今年2月になって議会に対して三原中併設の方針を明らかにしたのです。私は、この時、今からでも住民にきちんと説明する機会を充分にもって欲しいと述べたのですが、執行部には積極的姿勢は見られませんでした。
3月9日の議会で、住民への説明が不足していないかとの質問がありましたが、町長は選挙の際も併設案を演説していると答え、説明に不足はないとの認識です。
私は、町長が選挙演説で述べていることも知りませんでしたが、例えそうであっても、公式の場での説明は一度もなかったことが問題だと思っています。
今になって、中之郷住民からの反対の動きが出て説明会を開くようですが、執行部の責任できちんと説明し、また住民の指摘する問題点も謙虚に受け止め、可能なことは建設に反映していくべきだと思います。
今回、私どもに対して文書を送ってきた中之郷の皆さんは、三原中に併設すればいじめが起きる、ともおっしゃっています。その辺は私にはよく理解できませんが、やはり、当事者でなくてはわからない問題は必ずあるはずです。したがって、町はもっともっと皆さんの意見を聞きながら計画すべきだったとは思います。
しかし、むしろ中之郷住民にとって、自分の地域から学校がなくなる事への不安感が最も大きいことなのだろうし、もしかしたら問題のすべてがそこにあるのではないかと私は思っています。これを「地域エゴ」と切り捨てる人もいますが、私は決してこの住民意識を軽んじるべきではないと思います。
ただし、そのことは樫立の方たちも同じことです。
私には中之郷小学校への建設を、樫立の方々に理解していただける自信が持てません。
そこで、ベストとは言えなくても、中間地点である三原中併設を選択せざるを得ないと、私も個人的な見解として思っています。
しかし、そうだとしても、そうした地域感情に配慮して、誠意を持って説明し、できれば学校跡地の有効利用なども含め、地域振興策を提示していく努力が無くてはならないと思うのです。
でも、これは今の八丈町には要求しても難しいのかも知れません。
私は「連携教育」を町に提言した張本人ですが、それは、学校建設を単にハード面だけでなく、教育の理想を実現するための絶好の機会として研究して欲しいとの願いからでした。
しかし、町執行部には、そんな崇高な作業をすすめる態勢がないようで、単に併設の口実として、その言葉づらを利用してきたため、かえって住民のみなさんから反発を招いているようです。
本日の集会では、基本的には、町長ほか町執行部が説明責任を果たすべきです。
「三原中併設」は、議会でも教育委員会でもなく、あくまでも町執行部の責任で決定したことなのです。
もちろん、議員として私自身も住民の意見を聞き、見解を求められれば答えていくべきだと思っていますし、これまで電話で質問してきた方にはそのように対応してきました。そして、今晩の集会にもできれば参加したいのですが、先述したように、残念ながら、仕事の都合で出られません。今後、別の機会にお話しし、皆さんのご意見を伺いながら、私にできることは努力していきたいと思っています。
以上、私の考えているところをお伝えさせていただきます。
敬具