ホーム小宮山建の主張ブロードバンド

 

八丈島のブロードバンド化を早く実現しましょう

 ADSL加入者数は早くも200万回線を突破しました。総務省が3月11日に発表した情報によると、この2月末にADSL加入者数は207万6302回線(速報値 )となりました。昨年11月末に100万回線の大台にのってから、たった3ヶ月間で2倍化という急速な増加を実現しているわけです。(*1

 これまでの一般電話・アナログ回線でのインターネットの通信速度は、32Kbps、ISDNによっても64Kbps(2回線占有でも128Kbps)でした。それがADSLでは1.5Mbps以上、中には8Mbpsを提供するサービスも出現しており、動画などの大容量データでも高速に送受信できるようになります。日本もいよいよ超高速大容量通信(ブロードバンド)環境が標準化しつつあります。これまでCD−ROMなどを利用せざるを得なかった大きなファイルも、インターネットを介して、どんなに遠距離でも瞬時にやりとりできる時代になります。このことによって、経済産業活動はもとより、個人のライフスタイルにも大きな変革をもたらすことはまちがいありません。

 しかしながら、都会で先行し、全国に普及しつつあるブロードバンドとはいいながら、八丈島のような離島では、その恩恵にあずかれる日がいつやってくるのか、まだ見通しが立っていません。むしろ、今後ブロードバンド環境のある地域とない地域の格差(デジタルデバイド)は、電話があるかないかに匹敵するような深刻なものに拡大し、八丈島は大きく取り残されるおそれがあるといっても言いすぎではないでしょう。

 日本を I T 先進国にしようという国の「e−Japan戦略」では、2005年度に合計4000万世帯が高速・超高速インターネットに接続)を達成するために、過疎地域では「公共投資による光ファイバー網整備の推進が望ましい」として、光ファイバー網整備の公共事業化に言及し、総務省も、離島などの過疎地は国の補助によってブロードバンド化を進めることを打ち出しています(
*2)。こうした国の施策を八丈島に優先的に誘致するためにアクションを起こすことが、八丈町の緊急の課題になっているのではないでしょうか。

 ちなみに、NTT−ME八丈島営業所によれば、400のユーザーがまとまるとDSLの基地局の経営が可能になるのだそうです。ただし、それとは別に、八丈島と東京を結ぶ光ファイバー回線を増強するための約5億円の投資が必要となるらしく、これは行政がらみで解決せざるを得ない問題のようです。

 八丈島も現在のインターネット利用者もどんどん増えており、統計がないので不確かですが、すでに400人を超えている可能性も充分にありそうです。そうしてみると、手をこまねいていればいつになるかわからない八丈島のブロードバンド化も、民間需要の大きさを早急に調査し、ユーザーの要求をとりまとめて行政に働き掛けていくならば、その実現は決して遠い未来のことではなくなる可能性があると思われます。多くの皆さんと力をあわせて、是非ともそうした方向に進めていきたいと思っています。

2002年3月31日 (小宮山たけし記)

*1   総務省DSL普及状況公開ページ
*2   毎日新聞 2001−08−03

 


 

ADSLに関する諸データ

 

(1)ADSLの長所

1.高速通信
 アナログやISDNの数十倍〜125倍の速さ。今まで1時間かかっていた大きなサイ ズのファイルも数十秒ですばやく快適にダウンロードできる。
 ストリーミングでもVHSと同等の画質、FMラジオと同等の音質が確保できる。

2.常時接続
 アクセスポイントの混雑から開放される。
 メールやニュースをリアルタイムに受信することができる。

3.料金定額制
 低料金(現在、NTTなら1.5Mタイプで月2900円。8Mで月3100円)。
 インターネット接続のための電話料金は不要。
 一日中使い放題でも電話料金を気にする必要がない。

4.電話しながらネット接続
 1本の電話回線で、従来の音声通話とインターネットが同時に利用できる。

5.複数のパソコンで同時に利用可能
 パソコンを何台つないでも同じ料金で利用でき、家庭内で順番待ちの必要がない。

 

(2)ADSLの短所

1.サービスエリアが限定
 現在、需要の見込める大都市から展開されていて、八丈島などの離島や過疎地は後回しになっている。
 またデリケートな通信技術であるため、ISDN回線が近くにあったり、途中に光ファ イバーがひかれていると利用できない。

2.速度に個人差がある
 デリケートな通信技術のため、必ずしも最高速度の8Mbpsが保障されない。ISDNやアナログ回線よりも遅くなる場合は、サービスを受けられない。

3.開通まで時間がかかる
 申し込んだ後に、サービス可能かをNTTが調査する期間が必要となる。
 申し込みが集中しているため開通まで1ヶ月以上待たされることもある。

(3)ADSLにかかる個人負担の概要

(2002年4月現在)

1.プロバイダー接続料
 プロバイダーのADSL接続料金は、だいたい2000円前後が一般的。
 ちなみにOCNは、1.5Mが1980円、8Mは2280円。

2.ADSL回線使用料
 NTTフレッツADSLの場合
 1.5Mタイプで月2900円。8Mで月3100円。
  (Yahoo!BB だと 両方で3000円くらい)
  常時接続として比較すれば、プロバイダーの接続料金もアナログより安く、これまでの電話料にあたるNTTの回線使用料が大幅に安くなる。
  しかし、たまにしか接続しない人にとっては割高になるかも知れない。

3.モデム使用料
 NTTは月550円のレンタル料。
 買い取りでは現在数万円するが、近い将来パソコン内蔵が標準になると思われる。

4.その他
 ADSL利用のためだけに電話回線を新設した場合は、その回線料として1650円追加になる。

 

(4)ADSL施設開設にかかる初期費用

1.基地局設置費用    約1000万円
2.東京−八丈間、光ファイバー増設関連費用 約5億円

 

(5)ADSL開設を求めていくための課題

1.八丈島内におけるインターネット利用者数、利用状況の実態調査
2.ADSLの利用希望者拡大のための宣伝活動
3.NTT、および行政機関への要請行動

 

 このページの先頭へ        

 

ホーム小宮山建の主張ブロードバンド