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ー 開かれた議会、活力ある議会を目指して ー
議会のビデオ公開も検討
議会運営委員会が改革案を提示
議会運営委員会(沖山道委員長)は、議会運営のあり方や議会活性化策について、作業部会を設け検討してきましたが、その結果が報告書にまとめられ、6月6日の定例議会で提出されました。報告書の検討内容は
1、開かれた親しまれる議会
2、活力ある議会
3、議会事務局の充実
の三部門からなっています。
特に、「開かれた親しまれる議会」については、議事公開の原則に立ち、傍聴の自由、報道の自由、会議録公表のあり方について検討、現状の問題点や課題を分析しながら、@会議場をビデオに撮り、声や映像で町民に知らせる、A庁内放送(テレビ)施設を設置する、B「議会だより」の編集体制を強化して内容の充実を図る、等を提案しています。
住民の皆さんの熱い期待に応えるために、八丈町議会は大きな課題に向かって少しずつ動きだしています。
以下は報告書の全文です。
2003年7月31日
八丈町議会検討報告書
平成15年5月29日
八丈町議会運営委員会
八丈町議会は八丈島民の代表として離島の格差解消、生活基盤整傭、産業振興、福祉、環境などのまちづくりに取り組み、住民福祉の向上に成果をあげてきた。しかし、議会への住民の目は厳しいものがあり、議会活動が住民の期待に十分に応えきれていないとの指摘もある。一方、地方分権が進むなか議会の責務と役割はますます重要なものとなり、住民とのコミュニケーション、協働のあり方が問われている。
八丈町議会は分権時代にふさわしい議会を目指し、議会運営、活力に満ちた議員活動に資するため、議会活性化策を検討することとした。すぐに実行できるもの、時間を要するものなど課題は多いが議員が一丸となり取り組むものとする。
八丈町議会の広報広聴は、傍聴、会議録、議会だよりなどの配布である。傍聴席は20席と狭く議場と混然となっており傍聴環境は良好とはいえない。また、本会議以外は事前の広報がなく傍聴は事実上困難である。議会だよりは年4回定例会に合わせ、一般質問、議会日誌を中心に編集発行されているが、議会活動を十分に知らせるものとはなっていない。本会議はもとより、あらゆる議会活動のありのままの姿を、住民に知ってもらうことが住民の信頼と町政への参画を促す道であるといえる。
@会議場のビデオ撮影について
議場の模様、議会活動をビデオに撮り、図書館、公民館等で貸し出しを実施する。声や映像で住民に知らせることにより、住民と議会の親近感、信頼感の醸成に役立つと共に、議会討論の活発化にもつながっていくものであり早急に具体化を図る。
A庁内放送について
行政のチェックや将来のまちづくりを議論する議会の状況や情報を町職員が共有するため、庁内放送(テレビ)施設を検討する。
B議会報について
議会だよりは住民への問題提起となるよう、町政の課題、委員会活動、行政視察の結果等できる限り掲載するよう努力する。そのため各委員会、事務局は活動報告に創意工夫を図る。また、開設したホームページの充実も含め、編集体制の強化策を検討する。
C傍聴について
議会の会議は公開されるのが原則である。本会議以外の諸会議についても傍聴可能なものについては、事前に防災無線などで住民に知らせるよう検討する。
2.活力ある議会
八丈町議会は年4回の定例会議と全員協議会、委員協議会等を合わせ実質20日にも満たない議会活動である。あとは、議員一人ひとりの自主的活動であり、政策研究をしょうとすればできるし、しなくてもすむ現状から個人差が大きいと指摘できる。
島内の隅々に気を配り、社会状況の変化に的確に対応するために、議会が積極的にまちへでて住民の声を聴き調査研究に努め、議会に反映させる仕組みをつくり運営に当たることが議会活性化に不可欠である。
@全員協議会、委員協議会について
本来協議会は法的裏付けのない会議であり、町長が行政上の問題等について議会の意見を聞く場は出来る限り本会議に託すべきと考えられる。したがって全員協議会は議員同士の意見調整・打ち合わせなどを主体にし、委員協議会はできるだけ控えて、常任委員会本来の趣旨を活かした活動にすべきである。
A常任委員会について
八丈町議会は総務文教委員会・経済企業委員会を設置しているが、機能が十分に発揮されているとは言いがたい。自治法が常任委員会を任意制としているもとで、八丈町が議会の調査、審査機能を高めるために設けたものであり、住民の声を聴く公聴会、公共的団体との意見交換、各種行事への参加、所管事項の現場視察等日常的に取り組み実効ある委員会活動を目指すべきである。
B特別委員会について
特別委員会は、会期中に限り、議会の議決によって付議された事件を審査する。が本来の趣旨である。空港・港湾・都市計画道路・都道促進特別委員会は議決によって付託された特定の事件を閉会中も審査する委員会と考えられるが、実際にどのような活動をしているか、住民に分かりやすいものにしなければならない。
C各種審議会への参加について
町長の諮問機関である各種審議会への議員の参加は、議会を代表するのか、議員個人の立場か不明確である。学識経験や法定の義務があるものをのぞき、できるだけ参加を避けて、町の様々な計画は町長の報告を受けて議会で審議するよう検討すべきである。また、費用弁償のあり方についても再検討すべきである。
D改選、離職時の報酬について
町議の改選時における報酬は月のうち何日在職であっても一ヶ月分が支給されている。血税の適正執行の面からも、日割計算により支給するよう条例改正を図るべきである。
E条例のチェックについて
条例の制定は議会のもっとも重要な役割である。現行条例が適正に執行されているか、あるいは役割が終わったものはないか、修正が必要なものなど議会の目でチェックし、見直しを検討する。
3.議会事務局の充実について
議会事務局は執行部の監視・批判という議会活動を支え、議会独自の政策研究を行政の専門的立場から支える等、広範かつ重要な役割を担っている。しかし、現実は三名の職員で庶務的雑務に追われ十分な事務局機能が発揮できない状況にある。職員は法令や議会運営の知識を修得するため自己研鑽に努めなければならないが、議員一人ひとりが何ができるか、必要以上に負担をかけていないか現状を見直し、事務局の充実強化を図る必要がある。
@傍聴規則改正について
八丈町議会の傍聴は「八丈町議会傍聴人取締規則」により許可されている。誰もが気楽に傍聴するため傍聴人「取締」を改め、傍聴規則を見直し傍聴席にも議事日程や一般質問一覧を配付するなど便宜を図り、傍聴しやすい環境をつくる。
A先例集、申し合せ事項の整理
議会運営は複雑であり、先達が作り上げた様々な経験則がある。記憶に頼るだけでなく文章化して追加修正ができる先例集作成に取り組むものとする。
B行政視察報告書
行政視察の結果を町政に反映させることは議会の重要な責務である。視察結果を記録にとどめ、議会討論の資料とすると共に住民への広報に活用するため報告書の提出を義務づけるものとする。
C調査研究用資料について
事務局は、都、支庁、町の各種計画書や公共的団体等のまちづくりに関する資料を収集し、議員へ提供するよう努める。
D図書室について
図書室の充実は議員の調査研究に不可欠である。現況は物理的に困難な面もあるが、議員が気楽に図書室に入り、社会状況や自治の動向について手に触れ、意見交換ができるよう創意工夫が必要である。
むすびに
本報告書は議会の実態を住民に正しく知らせ、住民とともにあるべき議会を目指すため検討されたものである。実行には困難も伴うが、議員一人ひとりの研鑽と実践こそが肝要であることを確認し結びとする。
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