ホーム小宮山建の主張最終処分場建設へ向けて

 

 

ごみの減量へ住民の主体性を 

管理型最終処分場建設に向けて

◆理想はクローズド型なのだが…
島内に建設すべき管理型最終処分場をオープン型にするのかクローズド型でいくのかは、議会でも大きく意見が分かれています。そこで1月22日から25日にかけて新人議員を中心にした行政視察が実施されました。

視察概要は議会レポート(5)に記した通りですが、やはり理想は周囲の環境を汚染しないクローズド型だと思います。オープン型にはごみの飛散や浸出水の処理の困難性だけでなく、埋め立て廃棄物の安定化(有害物質の除去)にも難しい問題がある事がわかりました。

ポイントは焼却灰
ところで、議会レポート(4)で、問題は焼却灰の処理と書きましたが、一部事務組合職員と話し合った結果、やはりそこにポイントがある事がはっきりしてきました。そして現在の財政状況の中では、大島に灰溶融施設を建設するという当初予定していた計画には無理があり、また、都区内の処理施設に搬出して処理する現行の方式を将来にわたって継続する事も経済的に困難である事がわかりました。

したがって、やはり島内に建設する最終処分場で最も主要な埋立対象物は、焼却残さ(焼却灰)ということになります。

となると、この有害性の高い廃棄物を島内につくるオープン型の施設で処理することには極めて大きい問題があることを、今回の視察から強く確信しました。

問題はごみの減量
それでは、クローズド型との結論が直ちに出てくるかというと、事はそう簡単ではありません。確かに高知県の高吾北処理センターはすばらしい施設です。しかし、そこで処理しているのは焼却灰だけであり、他の不燃物や産業廃棄物はそこには全く持ち込まれません。高度な中間処理施設を備え、リサイクルも進んでいる事に加え、離島でない事から産業廃棄物の搬出ルートを確立できています。

それに比べ小豆島の施設は、建設計画が平成2年に始まり、確かに最新の設備ではない事を差し引いても、オープン型の限界を見せつけられるものでした。しかし、ここでのリサイクルへの取り組みにも目を見張るものがあり、またごみの有料化などの排出抑制にも多大の努力が行われているにもかかわらず、最終処分場に持ち込まれている廃棄物が焼却灰に限定できていない事に注目しなくてはなりません。

離島であることによる限界
八丈島よりもはるかに本土に近く、大小のフェリーが毎日数十便往来している小豆島でさえ、離島である事で産業廃棄物等、本来行政責任ではない廃棄物も、受け入れを拒否でき ない状況であることを、今回の視察で実感しました。

八丈島ではデポジットや建設廃材のリサイクルなど、ごみ問題への取り組みにも努力してきた事は事実です。しかしそれでも年間2000トン近くのごみが中之郷処分場に持ち込まれ、また山間の私有地に投棄されています。本来生産者が責任を負うべき農業用ビニールなども、町が受け入れざる得ない現実が厳然としてあるのです。

こうした中で、伊豆諸島の現状分析に踏まえて、住民を指導できる立場にない一部事務組合がクローズド型の選択に難色を示す理由にはかなりの部分で納得できるものがありました。

理想実現の条件は?
今、問われているのはごみ減量へむけての住民、そして町行政の主体性だと思います。可能なものはすべてリサイクルし、ごみの減量に町を挙げて取り組む必要があります。産業廃棄物については当事者それぞれの責任での搬出ルートを確立していかなくてはなりません。そのことが実現できて初めて、最終処分場に焼却灰だけを持ち込む事が可能となります。そうすれば現在オープン型で計画されている処分場よりも数億円少ない予算で、屋根をかけた理想的な形の施設が建設できるはずです。

クリーンアイランドをめざす事は八丈町の基本政策です。
八丈町の未来をかけた選択は、私たち自身の主体的な決意と行動にかかっている事を自覚しなくてはならないと思います。

(2003,1,31  小宮山たけし記)

 

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